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つみたてNISAで買える「ETF」7本、それぞれの魅力と買い方のコツ

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つみたてNISAではETFは国内3種と海外4種の計7種類しか買えない。

hofred/Getty Images

  • 現状のつみたてNISAでは多くの投資信託商品が選べるが、ETFは国内3種と海外4種の計7種類しか買えない。
  • それぞれ主要な株式指数に連動しており、国内・海外と分かれているため、投資対象地域ごとに商品を選択できる。
  • リスク分散を考えるなら地域別のバランスを考えてポートフォリオを組んでおきたい。

新しくNISAを始めるなら、つみたて方式を選択した上で、ぜひともETF(上場投資信託)の購入を検討してほしい

少額ずつ投資できる点で比較的リスクが小さく、つみたて方式は初心者向けだ。さらにETFは、通常の投資信託よりも扱いやすい上に、コストが低く、個別銘柄では実現が難しい分散効果を提供してくれると言われているからだ。

なお、現状のつみたてNISAでは多くの投資信託商品が選べる。だが、ETFはなんと国内3種と海外4種の計7種類しか買えない。種類は少ないがそれぞれの商品には特徴があり、組み合わせ次第では上手くリスクを分散できる。

今回は各ETFの特徴と、つみたてNISAの枠内で複数のETFを買う場合のコツを紹介しよう。

日経平均株価に連動する国内ETF

1. ダイワ上場投信-日経225
  • 信託報酬…0.13%
  • 運用元…大和アセットマネジメント

ダイワ上場投信-日経225」は日経平均株価との連動を目指すインデックス型の上場投資信託で、ほぼ同株式指数の算出元である225銘柄が運用対象となっている。投資家にとっては改めてのおさらいとなるが、日経平均株価は日本を代表する株式指数であり、海外では「Nikkei 225」などと呼ばれる。

指数算出にはみんなが取引する銘柄が選ばれるため、いわゆる「大企業」が構成銘柄として採用されている。株価の大きい銘柄に影響されやすく、ファーストリテイリングやソフトバンクグループなどの寄与度が大きい指数でもある。なおダイワ上場投信-日経225の値動きはほぼ日経平均株価に連動している。初心者の方は上場株式デビューする前の足慣らしとして投資すると良いかもしれない。

2. ダイワ上場投信-トピックス
  • 信託報酬…0.07%
  • 運用元…大和アセットマネジメント

ダイワ上場投信-トピックス」は東証株価指数(TOPIX)との連動を目指して運用される。TOPIXは東証プライム市場に上場する全銘柄の時価総額の合計から算出されている。単純に言うと、1968年1月4日における東京証券取引所の時価総額を100としたときの現在の時価総額を表す。2023年1月現在で1900台を推移している。

トヨタ自動車やNTTなど、時価総額が大きい銘柄の値動きに影響されやすい特徴を持っているが、近年の推移はほぼ日経平均株価と連動している。なお同ETFの実績もほぼTOPIX通りだ。正直なところ、日経平均もTOPIXも大きく乖離することは少ないため、この商品は前述のダイワ上場投信-日経225と同じような値動きをしている。購入するならどちらか一方でいいだろう。

3. ダイワ上場投信−JPX日経400
  • 信託報酬…0.20%
  • 運用元…大和アセットマネジメント

ダイワ上場投信−JPX日経400」は株式指数であるJPX日経インデックス400との連動を目指すETFで、おおむね同株式指数に含まれている銘柄で運用されている。JPX日経インデックス400は東京証券取引所と日本経済新聞社が開発した株式指数であり、東証に上場している銘柄の中で「投資家にとって魅力度の高い400社」の株価が算出対象となる。

JPX日経400の構成銘柄を見ると食料品では明治ホールディングス、医薬品では武田薬品工業などが挙げられ、日経平均株価の採用銘柄が多い。なお、ダイワ上場投信−JPX日経400の値動きもJPX日経400とおおむね連動した値動きとなっている。国内株に投資したいけど投資先に迷うという方はこの商品を選ぶと良いだろう。ただしJPX日経400も日経平均株価と似たような値動きをしている。

米国や新興国に投資できる海外ETF

4. 上場インデックスファンド米国株式
  • 信託報酬…0.17%
  • 運用元…日興アセットマネジメント
  • 為替ヘッジ…なし

上場インデックスファンド米国株式」はアメリカの株式指数であるS&P 500との連動を目指したインデックス型のETFだ。S&P 500はニューヨーク証券取引所やNASDAQ、NYSE Americanに上場する企業の中から選ばれた500社の株価をもとに算出される。構成銘柄の時価総額は米国市場全体の約8割を占める。

日本ではNYダウの方が高い認知度を有するが、S&P 500の方が米国市場全体の動きを表しているといえよう。同ETFは機関投資家向けの「インデックスファンドUS株式」に投資して運用されるファンド・オブ・ファンズであり、間接的に米国株で運用されている。米国株投資の手始めとして同ETFを選ぶと良いだろう。

5. 上場インデックスファンド世界株式(MSCI ACWI)除く日本
  • 信託報酬…0.26%
  • 運用元…日興アセットマネジメント
  • 為替ヘッジ…なし

上場インデックスファンド世界株式(MSCI ACWI)除く日本」はアメリカのMSCI社が算出している株式指数「MSCI ACWI ex Japan」との連動を目指したETFだ。この株式指数はその名の通り日本を除く22の先進国市場及び24の新興国市場から選ばれた2648の銘柄から算出される。業種別ではITが約20%、金融が15%を占める。国別ではアメリカが64%とトップで、4.1%のイギリス、3.2%の中国がこれに続く。

このETFは間接的に日本以外の株式に投資をしており、資産の国別配分比率もMSCI ACWI ex Japanとほぼ同等だ。値動きを見ると寄与度の大きい米国市場と連動しているように見えるが、2022年のS&P 500が低調な一方、同ETFは横ばいである。

6. 上場インデックスファンド海外先進国株式(MSCI-KOKUSAI)
  • 託報酬…0.26%
  • 運用元…日興アセットマネジメント
  • 為替ヘッジ…なし

上場インデックスファンド海外先進国株式(MSCI-KOKUSAI)」は前者と同じくMSCI社が算出する株式指数「MSCI Kokusai Index」との連動を目指している。同株式指数は日本を除く22の先進国市場のなかから選ばれた1271の銘柄を基に算出され、日本以外の先進国市場全体の動きを表している。業種別ではITが20%、ヘルスケア関連が15%、金融が14%であり、国別では米国が72%と最大だ。

同ETFも投資信託を通じて間接的に先進国株に投資するファンド・オブ・ファンズである。値動きを見ると、先進国に特化しているとはいえ、5と変わらない印象だ。5との分散効果は期待できないため、どちらか一方を選ぶとよいだろう。

7. 上場インデックスファンド海外新興国株式(MSCIエマージング)
  • 信託報酬…0.26%
  • 運用元…日興アセットマネジメント
  • 為替ヘッジ…なし

最後に新興国株式に関連したETFを紹介しよう。「上場インデックスファンド海外新興国株式(MSCIエマージング)」は株式指数「MSCI Emerging Markets Index」との連動を目指している商品だ。同株式指数は24の新興国市場から選ばれた1377の大型・中型銘柄から算出される。国別では中国が32%と最大で、14%のインド、同じく14%の台湾、11%の韓国が続く。

同ETFも国別では中国が約30%、台湾、インドが15%前後であり、MSCIの指数とほぼ同じだ。値動きも目標通り指数と一致した動きをとっている。中国(香港市場)や台湾の個別銘柄を買う場合、為替・売買手数料もかさむ。インド株の場合は外資規制により、そもそも買うことができない。手軽な新興国投資の手段として同ETFはおすすめだ。

現状のつみたてNISAで買えるETFは、以上の7種類だ。

それぞれ主要な株式指数に連動しており、国内・海外と分かれているため、投資対象地域ごとに商品を選択できる。リスク分散を考えるなら地域別のバランスを考えてポートフォリオを組んでおきたい。

ETFの買い方のコツ

国内ETFを比べると、いずれも似たような値動きをしているように見える。1と2のように、異なる株式指数を目指す商品を組み合わせても、株式指数の値動き自体が似たような動きをとっていればETF自身も同じ動きをとってしまう。

一方で海外ETFに関しても、先進国市場における米国の寄与度が大きいため、米国市場ETFと先進国ETFも似たような値動きをとる。4と6の組み合わせも分散投資とは言えない。

ETFの中でポートフォリオの安全性を考えるなら、1、4、7など「日本」×「先進国or米国」×「新興国」のような組み合わせが良いだろう。筆者の場合、先進国市場の安全性を考慮しつつ、新興国の成長に期待したいため、1、5、7を20%・40%・40%の比率で組み合わせるだろう。

※本記事は筆者の知識と経験に基づいて投資の選定ポイントをまとめたものですが、事例として取り上げたいかなる金融商品の売買をも勧めるものではありません。本記事に記載した情報や意見によって読者に発生した損害や損失については、筆者、発行媒体は一切責任を負いません。投資における最終決定はご自身の判断で行ってください。

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