日本企業発のChtGPT関連サービスが増え、株価も上がっています。
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対話型、生成系AI「ChatGPT」の影響が日本の株式市場にも及び始めた。ChatGPTの関連技術を活用したサービスを発表する企業が相次ぎ、その株価が急騰しているのだ。
ChatGPT関連の発表以外で株価が変動した可能性があることに留意は必要だが、サービス発表の前日から現在までの各企業の動きをまとめた。
AI使ってカスタマーサポート「速度倍」に
ユーザーローカル の株価の推移。
出典:グーグルファイナンス
ChatGPTは対話型AIということもあり、影響が顕著なのがカスタマーサポート分野だ。
顧客対応チャットボットを提供する「ユーザーローカル」(東証プライム市場)は、ChaGPTを開発したアメリカOpenAI社製の対話AIアルゴリズムを活用し、回答を自動生成。チャットボットのQ&A執筆にかかる時間が半分以下になったという。
同社が上記リリースを出したのは1月19日。世間のChatGPTへの注目が高まるにつれて株価もじわりと上がり続け、年始から1200円台で推移していた株価は一時1774円の高値をつけた。
サービスリリース前日の1月18日(1275円)と直近2月16日(1636円)それぞれの終値を比べると、28.31%値上がりしている。
ポートの株価の推移。
出典:グーグルファイナンス
同じくチャットボットにChatGPTの技術を活用すると1月30日に発表したのが「ポート」(東証グロース市場)だ。土日や深夜帯など人間ではできない顧客対応に活用して、成約率向上を目指す。ただ、こちらはサービス提供ではなく「検証を開始した」というアナウンスにとどまる。
それでも発表前の1月27日(1227円)と直近2月16日(1558円)の終値では、26.97% 上昇する結果になった。
弁護士ドットコムは法律相談チャットで勝負
弁護士ドットコムの株価の推移。
出典:グーグルファイナンス
株価低迷に苦しむ弁護士ドットコム(東証グロース市場)も、ChatGPT関連技術で起死回生を図る。既存の法律相談サービスで蓄積したデータを学習させ、法律の悩みに答えるAIチャットサービスの研究に取り掛かる。報道によると、2023年4〜6月中のサービス開始を目指すという(朝日新聞2023年2月14日)。
発表前日2月13日(2635円)と直近2月16日(2799円)の終値の騰落率は、+6.22%だった。
note社の株価は好調続く
noteの株価の推移。
出典:グーグルファイナンス
ChatGPT関連サービスで株価が急騰している企業といえば、「note」(東証グロース市場)だ。既報のとおりChatGPTに搭載される技術を搭載した記事作成AIアシスタントを発表した直後から株価が上昇し、ユーザー募集の段階にもかかわらず3日間ストップ高に。
2月16日から、いよいよ機能を試すことができるようになった。
発表前日2月7日(463円)と直近2月16日(660円)の終値を比較した騰落率は、+42.54だ。
もちろん各社の時価総額や期間が異なるため単純に比べることはできないが、note社への市場の期待は相当のものだろう。
ChatGPT関連技術を既存サービスに組み込む「予定」だと公表するだけで、市場の注目が集まる「ChatGPTバブル」。今後もこの波が続くのか、注視したい。