Z世代が就職先を探す際、企業の社会的影響と自分が成長できる機会が重視される。
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- 現在の雇用市場は競争が激しいが、企業はZ世代の求職者を惹きつけるために対策を講じることはできる。
- 人材育成の専門家、チェルシー・ウィリアムズは企業がどのように多様性を支援しているかを応募者に共有すべきだと話している。
- ウィリアムズによると、透明性、メンタリング、企業家精神にあふれた文化も企業がZ世代を惹きつける要因になるという。
どの世代も一枚岩だとは言えないが、同じような世界の状況下で成長してきた人は共通する傾向がある。Z世代も同様だ。現在26歳以下のZ世代は仕事を探す際、これまでの世代が優先してこなかったようなことにも気を配っている。
このため、企業はこのZ世代を惹きつけるためにある種の対策を講じる必要がある。労働力・人材開発会社のリマジン・タレント(Reimagine Talent)で、多くのZ世代と密接に仕事をしている人材育成の専門家、チェルシー・ウィリアムズ(Chelsea Williams)は、Z世代の求職者にアピールするため、企業が優先的に取り組むべき6つのことを話してくれた。
1. 多様性と社会的影響に明確なコミットメントを示す
Z世代は、「社会的影響、善行、多様性、公平性、包括性」への真のコミvote with their dollarsットメントを示す企業を評価する傾向があるとウィリアムズは述べている。なぜならば彼らは最も多様性に富んだ世代だからだ。Z世代は自分のお金で商品やサービスを購入することで支持を表明し、企業が口先だけの慈善活動をしていないかを確認するためソーシャルメディアで各組織をフォローし、同じことをする雇用主を求めている。
多様な人材の育成、採用後の社会的弱者へのサポート、社会貢献などに関する企業の取り組みは、ジョブディスクリプション(職務記述書)に詳細を記載し、面接時に説明すべきだとウィリアムズは言う。さらに彼女は、企業は疎外されたコミュニティに対し、奨学金や職業訓練の機会を積極的に提供するべきだとも付け加えている。
2. 給与と成長の機会の透明性を保つ
現在の雇用市場は競争が激しく、Z世代は将来の雇用主が自分に見合う報酬を支払えないと感じれば、ギグエコノミーで仕事をして稼げばいいと知っている。
「高い給与を求める背景には、自分たちの提供するものに自信を深めていることがある」とウィリアムズは述べている。
「雇用主も給与以外の部分で会社が何を提供できるのか、表現できるはずだ」
「透明性と具体性が重要だ」とウィリアムズは言う。
「つまり、ジョブディスクリプションで企業が支払える給与の幅をできるだけ狭め、授業料の払い戻し、専門能力開発のための奨学金、研修プログラムなどを含んだキャリアモビリティ(従業員が別の役職や職業に移動したり、現在の役割内で別の責任を負うなどのキャリアを進めるプロセス)や専門の職業訓練の機会を率直に説明することが大切なのだ。Z世代は、あなたの会社で働くことにどんなメリットがあるのかを知りたがっている」
3.メンタリングやアフィニティ・グループを通じてコミュニティを提供する
組織が素晴らしい企業文化を構築する方法を知っていることと、チームの一員として彼らをサポートできることをZ世代は確認しようとしている。ウィリアムズは、Z世代にとって理想的な企業文化を作り出す要素のひとつとして、特に社内の専門職のコミュニティ、リアルタイムのフィードバック、従業員のメンタルヘルス、社会的正義への取り組みに投資することを挙げている。
「ウェブサイトから面接審査、新人研修までのすべての接点がカルチャーを形作っている」とウィリアムズは言う。
「それらを大切にすることが重要だ」
面接や採用の過程では、Z世代の新入社員と求職者をできる限りつなげよう。メンターシップ・プログラム、アフィニティ・グループ、定期的なQ&Aセッションなど、Z世代の従業員を対象としたプログラムを構築し、福利厚生について話すときはそのような機会のことを共有しよう。
4.専攻ではなくスキルと能力に重点を置く
今日の教育や仕事の状況では、専攻やコースではなく、求めるスキルやと能力に重点を置くことでZ世代の人材獲得と確保に成功するだろう。
Z世代との面接をそのように構成することで、採用候補者の実際の能力がより分かり、最終的にその仕事に適した人材を確実に見つけられるとウィリアムズは述べている。また、Z世代の求職者は、このような組織にも魅力を感じる。なぜなら、学生が専攻することと、卒業数年後にする仕事はほとんど関係がない可能性が高いからだ。
「今我々がいるのは、高等教育機関への入学者数が減少している時代だ」とウィリアムは言う。
「すべての学生が高等教育機関への進学を選んでいるわけではないため、専攻は関係なくなっている」
5.Z世代の集まる場所に行く
同じカレッジや大学に募集をかけたり、同じアカデミック・プログラムにアプローチしたり、何年も同じところに求人を出しても、競争力のある潜在能力の高い人材は他の場所に目を向けるため、求めるようなZ世代の人材は確保できないとWilliamsは話している。
Q&Aセッションで、すでに組織で働いているZ世代の従業員を活用しよう。キャンパス訪問の範囲を広げよう。TikTokやその他のソーシャルメディアで企業をブランディングする方法を探してみよう。
物語を話すことは強力な採用活動のツールだ。「自分自身を見る最良の方法のひとつは、他人の物語を通して自分自身を見ることだ」とウィリアムズは言う。
「Z世代にとって、一日の生活の流れを見せることはとても大切なことだ」
Z世代は企業が物事を変えているかどうか知りたがっている。あなたたちが実行すれば、より強力な応募者を見つけることができるだろう。
6. 企業家精神にあふれた文化を築く
Z世代は、あなたたちが革新的な職場を作っていることを知りたがっていて、そのためにはチーム内に企業家精神にあふれた文化を築き上げることが有効だ。この世代は、自分たちがオリジナルを作り上げるチャンスがあることを知ると成長し、成功するのだとウィリアムズは言う。
アイデアの共有と報酬に透明性があることを応募者に伝え、チームが率いる製品・サービスの例を披露してみよう。
「プロジェクト、プロセス、プログラム及びシステムを構築し、まだないものを作るのに参加する方法について雇用主は話すことができる」とウィリアムズは話している。
「それはとてもエキサイティングなことだ」