Courtesy of Chick-fil-A
- チックフィレイ(Chick-fil-A)はフードデリバリーを担う配達員のための休憩所をニューヨークに期間限定でオープンする。
- 休憩所ではコーヒーを飲んだり、携帯電話の充電をしたり、Wi-Fiを使うこともできるという。
- ただ、休憩所は4月半ばまでの期間限定で、利用できるのは午後7時までとなっている。
チックフィレイはフードデリバリーを担う配達員のための休憩所をニューヨークに期間限定でオープンする。注文の合間にコーヒーを飲んだり、トイレを使うことができるという。
2月15日のプレスリリースでチックフィレイは、この「ブレイクルーム(休憩所)」を使って配達員たちは「休憩したり、からだを温めたり、元気を取り戻す」ことができるだろうとしている。
休憩所を使うには、自分が1週間以内にチックフィレイに限らずドアダッシュ(DoorDash)、ウーバーイーツ(UberEats)、グラブハブ(Grubhub)、ポストメイツ(Postmates)、キャビア(Caviar)、シームレス(Seamless)など、どこかしらのフードデリバリーの仕事をやったという証明を見せるだけでいい。休憩所にはトイレ、駐輪場、携帯電話の充電スポット、Wi-Fi、ドリンクなどが揃っている。
こうしたサービスを提供することで、チックフィレイはフードデリバリーの配達員が抱える仕事に対する不満を解消しようとしている。ニューヨークでは2022年1月まで、配達員に対し、注文品を受け取りに行った飲食店のトイレの使用が保証されていなかった。つまり彼らがトイレに行けるかどうかは、それぞれの店のポリシー次第だったのだ。
フードデリバリーのアプリを運営する企業は自社の配達員を"独立した労働者"と分類し、トイレや休憩所を提供していない。配達員の中には、仕事中に用を足すためにペットボトルを持ち歩いているという人までいる。
フードデリバリーの仕事は注文毎に報酬が支払われるため、配達員はできるだけ多くの配達をこなそうとする。そのため、注文の合間に家に戻って水分補給をしたり、携帯電話の充電をするための時間を削り出すのは難しい。
ニューヨークの6万5000人ともいわれるフードデリバリーの配達員のための施設が不足している問題は、これまでも議論されてきた。
2022年10月には、ニューヨークのエリック・アダムス市長とチャック・シューマー上院院内総務(ニューヨーク州選出)が「Street Deliveristas Hubs」を発表し、使われていない街中の小さな売店といった既存のインフラを使って、配達員が休憩をしたり、天候をしのいだり、電動自転車や携帯電話を充電できる場所を作る計画を明らかにした。
ただ、いずれもまだ稼働しておらず、候補に挙がった場所は地域の一部住民から反対にあっている。
かつてジムがあった場所にオープンするチックフィレイの休憩所は2月16日から4月13日まで、午前11時から午後7時まで営業している。つまり、夜遅くに働く配達員は利用できない。そして、チックフィレイの通常の店舗同様、日曜日は休みだ。