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あの日本企業も…景気後退期、3兆円超を運用するファンドマネジャーが推す「地味だけど革新的」な8銘柄

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Anton Petrus/Getty Images

2023年前半、株式市場は景気後退局面に入ると見られている。多くの投資家は、強固なファンダメンタルズと安定したキャッシュフローを持つ優良銘柄に逃避している。

240億ドル(約3兆2400億円、1ドル=135円換算)の資産を運用するフォントベル・クオリティ・グロース(Vontobel Quality Growth)の国際株式ポートフォリオ・マネジャー、デビッド・ソーカー(David Souccar)とダニエル・クランソン(Daniel Kranson)も、同じ投資哲学に従っている。しかし彼らは、このタイミングにあってもイノベーティブで成長志向の優良株は見つかると考えている。

「質の高い成長とは競争力のある企業に投資することを意味し、利益率の高さ、利益、高い収益予測に表れます」と、Insiderの取材に応じたソーカーは説明する。

「市場をアウトパフォームし、当社が抱える投資家たちに価値を提供するには、市場を大きく上回るスピードで成長できる企業に投資することです」(ソーカー)

地味な企業ほど不況に強いことも

ソーカーとクランソンの投資戦略は、ボトムアップの分析に重点を置きつつマクロ経済の動向も考慮するというものだ。低成長・低金利の環境下での調整局面においては、優良な成長企業にこそ、過去何年も市場を席巻していた破壊的なハイテク株をも凌駕する機会があると彼らは考えているのだ。

投資家たちがファンダメンタルズを重視するなか、最近のグロース株はバリュー株に対して苦戦しているため、これは直感に反するように思えるかもしれない。しかしクランソンは、将来の成長見込みを過大評価しながら投資家に売り込む高飛車な成長株と、派手さはないがその約束を裏づける確かな収益実績を持つ優良な成長株とを区別している。ソーカーも次のように話す。

「私たちは『希望』に投資するわけではありません。私たちが投資する頃には、おそらく株価はもう少し高くなっているでしょう。しかし、それでもいいのです。私たちは、手っ取り早く金持ちになるためのポートフォリオを作っているのではありません。ゆっくりと複利を効かせながら、市場よりも良い結果を出すことが目的です」

ソーカーとクランソンは基本的にセクターにはこだわらないが、エネルギーセクターは石油価格の予測に依存するため避ける傾向にある。地域別に見ると機会のほとんどは現在、先進国市場にあるが、最近では新興国市場、特に中国の経済再開によるエクスポージャーの増加を図っている。

ソーカーとクランソンはシクリカルな動きが少ない企業を中心にポートフォリオを組んでいるため、世界的な景気後退の影響を受けにくく、不況期にもアウトパフォームすることができると彼らは考えている。

これは一方で、2021年のような「バブル市場」においては、彼らのファンドはより積極的な成長グロース銘柄のポートフォリオほどのパフォーマンスを示さないことを意味する。

ソーカーとクランソンが運用するポートフォリオに組み込まれている銘柄のうち、特に注目したい8銘柄を紹介する。

地味な銘柄ほどイノベーティブなことも

ソーカーとクランソンが投資しているような質の高いグロース株は、派手なCEOを擁して大きな投機を行う企業と比べると地味に映ることもある。しかし地味だからといって、おもしろいことをやっていないとは限らない、とソーカーは説明する。

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