西安市の櫟陽城遺跡で水洗トイレが発掘された。
Institute of Archaeology at the Chinese Academy of Social Sciences press release
- 中国で2200年から2400年前の水洗トイレが発見された。
- このトイレの排水システムは現代のシステムと「見間違うほど先進的」だという。
- 発掘チームの研究員は「現場にいた全員が驚き、そして笑ってしまった」と語っている。
中国でこれまで発見された中で最も古いと思われる水洗トイレが発見されたと、中国の国営通信社、新華社が2023年2月15日に報じた。
陝西省西安市の櫟陽(れきよう)城遺跡にある2つの大型宮殿建築遺構を発掘していた中国社会科学院考古学研究所の研究者は、この発見に驚いたという。
このトイレは、戦国時代中期から前漢前期にかけての2200年から2400年前のものと推定される。近代的な水洗トイレは、ビクトリア朝時代(19世紀)のイギリスで発明されたと考えられてきたことから、今回の発見は興味深いものとなっている。
環球時報によると、古道具の設計専門家であるファン・ミンヤンは、このトイレの排水システムは現代のシステムと「見間違うほど先進的」だと述べている。
2400年前に作られた手動式水洗式トイレは、考古学者の関心を集めており、そこで採取された土壌サンプルを分析することで、当時の人々が何を食べていたのかを解明しようとしている。
2022年夏、陝西省 (中国北西部) の省都西安にある岳陽遺跡で、組み合わされたパイプを含む機器の破損部分が発掘され、研究者らが数カ月間、復元作業を行い、2月15日に詳細が発表された。
便器や他の壊れた部品、屋外の穴につながるパイプなどは2022年の夏に発見された。この「贅沢品」は、宮殿にいた身分の高い者だけが使用したと考えられると、発掘チームの劉瑞研究員はチャイナ・デイリーに語っている。
また、使用するたびに召使が便器に水を注がなければならなかったと劉研究員は付け加えた。
「中国で発掘された最初の、そして唯一の水洗トイレだ。現場にいた全員が驚き、そして笑ってしまった」
周囲の土壌を分析することで、古代の人々の食生活や食習慣を知るヒントが得られるかもしれない。
この宮殿で大規模な考古学的発掘を行うことは、古代王朝における「都城の配置について研究するうえで重要な価値がある」と社会科学院考古学研究所はプレスリリースで述べた。