楽天モバイルユーザーは平均4.2個の同社関連サービスを利用している。
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- MMD研究所の調査によると、楽天モバイルユーザーは平均4.2個のキャリア関連サービスを利用しているという。
- この結果は、ほかの大手3キャリアのユーザーと比較して、突出して高い。
- 同調査では、楽天モバイルユーザーの楽天経済圏への忠誠心の高さがひときわ目立った。
楽天モバイルのユーザーは、ほかのキャリアのユーザーに比べて、その経済圏に対するロイヤリティが突出して高いようだ。
MMD研究所は2月20日、「大手4キャリアの関連サービス利用実態調査」の結果を発表。18歳~69歳の大手4キャリアユーザー2000人(ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルのユーザーそれぞれ500人ずつ)を対象とした本調査では、楽天モバイルユーザーにおける関連サービスの利用意向が、ほかのキャリアと比べて2倍近く高いことがわかった。
その大きな要因となっているのがポイントだ。いまや通貨同様の価値を持ちつつある各社のポイントが、それぞれの経済圏の勢力拡大に多大なる影響を及ぼしている。
ユーザーの心を掴む経済圏
MMD研究所の調査によると、大手4キャリアユーザーの携帯電話契約以外のキャリア関連サービスの利用数は、楽天モバイルユーザーが平均4.2個でトップ。それに次ぐソフトバンクユーザーの平均2.3個をダブルスコアで引き離している。ちなみにドコモユーザーとauユーザーは、どちらも平均2個になる。
一方、「携帯電話の契約だけをしている(関連サービスの利用数は0個)」の割合も楽天モバイルユーザーは突出して低く、8.4%しかない。それに次ぐソフトバンクは17.6%で、こちらも倍以上の結果となっている。ちなみにドコモユーザーは18.4%、auユーザーは23.4%だ。
ポイントサービスがハブに
そのような高いロイヤリティを生み出しているのがポイントである。MMD研究所の調査結果によると、携帯電話契約以外のキャリア関連サービスにおいて、もっとも多く利用されているのがポイントだからだ。
楽天の基幹ビジネスは、言うまでもなくECだ。そのためポイントサービスの着手は、ほかのキャリアと比較して早かった。それだけユーザーの愛着もひとしおなのかもしれない。
また、楽天の場合、さまざまなサービスが「楽天」というブランド名のもと展開されている。ソフトバンクのPayPayポイント、ドコモのdポイント、auのPontaポイントなど、ブランド想起が効きにくいネーミングは、併用する意欲を削ぐということも考えられる。
執着を強めるユーザーたち
さらにMMD研究所の調査では、「キャリア関連サービスの利用数を増やしたいとおもうか」という問いかけも実施。そちらでも、楽天モバイルは圧勝。「増やしたいと思う」「やや増やしたいと思う」をあわせて、32.8%に達しているのだ。
ほかは、ドコモ22%、au18.8%、ソフトバンク20%となっており、どちらも楽天モバイルと比較して厳しい結果になっているのは否めない。ポイントを介した経済圏の構築は、現時点で楽天がほかを凌駕しているといえるだろう。
しかし、楽天史上最大の赤字の原因となっているのも楽天モバイルだ。「単体で4593億円の赤字」がグループ全体の足を引っ張っている。楽天モバイルユーザーのロイヤリティの高さを、どのようにサービスへ転化していくのか注視したい。