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なぜスティーブ・ジョブスのように戦略を絞れないのか? 「フォーカス」阻む2つの壁の乗り越え方

自律思考を鍛える

alphaspirit.it/Shutterstock

「経営の肝は選択と集中」——。ビジネスにおいて「フォーカス」することがいかに重要かについては、改めて力説するまでもないでしょう。おそらくみなさんも耳にタコができるほど聞かされているので、「フォーカスの重要性? そんなことは分かってる」と感じるかもしれません。

ところがいざ自分が組織を率いる立場になり、戦略を絞らなければならない立場になると、あれもこれもやりたがる人が多いのに驚きます。

戦略ほど大きな話でなくても、例えば「毎日やることが多くて忙しい」と言っている人も同様です。毎日あれやこれやで忙しい、だからもっとフォーカスすることが重要だ、と頭では分かっているのです。そして実際に、30あるタスクのうち数個を減らしてみたりもするでしょう。

ただしここで注意が必要なのは、やることの数個をやめるレベルでは、フォーカスしたことにならないということです。

これは、フォーカスの重要性は分かっているものの、どの程度フォーカスすればいいかが分かっていない典型例です。頭ではフォーカスの重要性は理解しているけれど、本当の意味でフォーカスできていないのです。

そこで今回は、フォーカスの重要性と、なぜフォーカスすることが難しいのか、どうすればそれを克服できるのかについてお話ししましょう。このあとご紹介する2つのことを意識するだけで、本当の意味でフォーカスできるようになります。

「フォーカス」とはたった1つに絞ること

スティーブ・ジョブズ

アップルに復帰したジョブズは「フォーカス」することで組織を立て直した。

Mousse Mousse/Reuters

スティーブ・ジョブスはある企業の幹部向け講演会で、「多くの企業が1年以内に達成したいことを10個リストアップするが、賢い会社はその10個から3つか4つに絞る」と話し、こう続けたと言います

「私のやり方はこうだ。紙を1枚用意し、『私の会社が来年、たった1つのことしかできないとしたら、それは何か?』と問う。そして文字通り、他のことはすべてやめるんだ」

つまり、ジョブスが率いたアップルにとってのフォーカスとは、多数のことを10に絞ることでも、3〜4に絞ることでもなく、たった1つにすることだったというわけです。

経営の大家ピーター・ドラッカーは、著書『マネジメント——基本と原則』でマネジメントについてまとめています。その基本原則の1つは「成功のためには1点の強みに集中して卓越する」。ここでも1点にフォーカスすることの重要性が述べられています。

フォーカスを阻む2つの壁

しかし、上述したようにフォーカスするのはなかなか難しいものです。なぜか。フォーカスを阻む2つの「壁」が存在するからです。その2つとは「不安の壁」と「バカの壁」です。

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