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3度目の不況を経験する前に…ミレニアル世代は親と「お金」の話をしておこう

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写真はイメージです。

metamorworks/Shutterstock

  • ミレニアル世代はこれまでに2回不況を経験しているが、彼らの親が退職する頃に3度目の不況に直面する恐れがある。
  • 親とお金の話をするのは楽しいことではないが、彼らの経済状況を知るために話をしておいた方がいい。
  • ミレニアル世代は、まず自分の経済的需要を最優先するべきだと、専門家は勧めている。

クリスタル・デュアン氏は、2023年1月に28歳になった。誕生日には、新天地ニューヨークで新しい友人を作り、ライター&マーケティング・コンサルタントとして順調にキャリアを築いている自分の成果を祝うこともできた。

しかし彼女の頭にあったのは、歳をとっていく両親のことだけだった。

「自分の誕生日がくるたびに、両親もまた1つ歳をとっていく」

デュアン氏は、ブログのようにメルマガを配信できるプラットフォーム「サブスタック(Substack)」に、そう投稿した。

「高齢になっていく両親の介護をしなければならない責任を考えると怖い。まだそのような状況にはなっていないが、いつもそのことばかり心配している」

高齢者の福祉を促進するNPO団体「AARP」の調査によると、2018年時点で高齢者の介護をしている人の約25%がミレニアル世代だったという。長期介護費用の負担という問題に直面するベビーブーマー世代の増加とともに、その世代の親を介護する20代半ばから30代後半の介護者が増えているのだ。デュアン氏のようなミレニアル世代は、自分も介護者になる日のことを考え、備えておく必要性を感じている。

その準備において最も重要なのは、介護費用をどう工面するかという問題を解決しておくことだ。

ミレニアル世代が抱える介護費用の不安

介護というと、誰が費用を負担するかという点が問題になる。マサチューセッツ大学ボストン校の老年学研究所が開発した指標「エルダー・インデックス(Elder Index)」によると、2019年、ローンのない持ち家に住む高齢者1人の平均的な生活費は、健康に全く問題のない人で年間2万1360ドル(約290万円)だ。

それに病院での治療費や長期介護費が加算されることになる。これだけの介護費を工面するのは簡単ではない。高齢者の保障を促進するNPO団体インシュアランス・リタイアメント・インスティテュート(Insured Retirement Institute:退職被保険者協会)が2021年に発表した調査によると、老後の資金がないという人が62〜66歳の労働者の3分の1を占めた。貯金があったとしても、十分な金額を蓄えている人は少ない。

必ずしも子供の助けを得られるとは限らない。ミレニアル世代はこれまで2度の不況を経験し、さらに次の不況も迫っている。エンジニアをしている両親よりも所得の低いデュアン氏は、この点を不安に感じている。

本記事の取材に対し彼女は、「経済的に両親を助ける余裕がないので、不安だ」と嘆く。

家族で(気まずい)お金の話をしよう

この不安と戦うために、デュアン氏は将来のお金の問題について両親と話そうとしたことが何度かある。ところが彼女の両親は、老後の資金はあるから、自分の生活の心配をしなさいと言って、すぐに会話を終わらせてしまうという。

フロリダを拠点とするアセットマネジメント会社トラディショナル・ウェルス・アンド・レガシー・プランニング(Traditions Wealth and Legacy Planning)の創設者で認定ファイナンシャルプランナーのレマー・ウィリアムズ氏は、このアプローチはデュアン氏にとってはもどかしいものだけれども、両親の気持ちも理解できると言う。

「私の顧客には、子供に面倒を見てもらうことを願っている人などいない」

年に1度家族で集まり、将来に備えたそれぞれの経済状況を話し合い、互いに把握しておくことをウィリアムズ氏は勧めている。そうすることで子供たちは親の経済状況をより良く理解することができ、不安を抑えることができる。

親には次のような質問をすることを彼は推奨する:

  • 老後の資金として十分な貯金があるか? 口座はどこにある?
  • 長期介護保険に入っているか?
  • 介護が必要になった場合、その対応をどう準備するべきか?

介護者の生活の質の向上を推進するNPO団体ケアギバー・アクション・ネットワーク(Caregiver Action Network)の臨時CEO、リサ・ウィンステル氏は、お金の話をするのは気まずいけれども、親の身に何かが起こる前に話しておくことが大切だと強調する。

ウィンステル氏は子供たちと自分の介護について冗談を言い合える関係だというが、一般的な親子はお金の話に関しては遠慮しがちで、機転が必要な場合が多い。すでにデュアン氏は、家のダウンサイジングをしないという両親の決断に反対している。

「親にとっては子供でも、敬意を持って、知識のある大人として接することが大切だ。親の経済状況を把握することで、彼らの不安を軽減させることができることもあるということを、親は理解するべきだろう」と、ウィンステル氏は話す。

誰が経済的支援をするか決めておこう

ミレニアル世代は、親の介護費の分まで貯金しなければならないのか? その質問に明確な答えはないとウィンステル氏は言う。

「経済的サポートは、支援できる人からそれを必要とする人に提供されるべきであり、その構図は時間と共に変わっていく」

経済的サポートのフローは、誰がお金を持っているかで異なる。IT関連の仕事をしている子供だったら親よりお金があるかもしれないし、年金を受給している親であれば、老後のために長年熱心に貯めてきた貯金が十分あるかもしれない。

ファイナンシャルプランナーのウィリアムズ氏は、親の介護のためだけに貯金に励むようなことはミレニアル世代に勧めていない。

「(ミレニアル世代は)まず自分のことを考えるべきだ。富を築く時間はたっぷりあるのだから」

デュアン氏は今のところ、医療や金融の専門家と強力なネットワークを構築するなど、将来の親の介護のために、お金のかからない形で貢献することに専念している。

「私は色々な分野で知識のある人を見つける才能がある。一般的な富とは違うけれど、これで何とかするしかない」

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