OpenAIの CTOミラ・ムラティは、対話型AIの次のバージョンGPT-4に関する大々的な宣伝は減らすべきだと述べた。
Dimitrios Kambouris/Getty Images for DVF
- OpenAIの最高技術責任者(CTO)のミラ・ムラティは、ChatGPTの次期バージョンGPT-4の大々的な宣伝をしないことを望んでいる。
- GPT-4のリリースと機能に関する噂が広がる中でムラティのコメントが発表された。
- OpenAIはリリース時期を明らかにしていないが、ムラティは「人々のチャンスを広げる」かもしれないとも話している。
OpenAIのGPT-4は、ChatGPTの技術をより強力にしたバージョンで、多くのテック業界の関係者はそのリリースを心待ちにしている。だがOpenAIの最高技術責任者(CTO)、ミラ・ムラティ(Mira Murati)は世界を少し冷静にしたいと思っている。
現在のChatGPTの言語モデルGPT-3.5の次期バージョンGPT-4について聞かれたムラティは「大々的な宣伝は控えた方がいいと思っている」とFast Companyに話している。
ムラティのコメントは、GPT-4の発売時期や性能をめぐってさまざまな噂が飛び交う中で発表されたものだ。
AIの専門家やシリコンバレー関係者は、GPT-4はGPT-3よりも数千億個以上多いパラメータ(データポイント)で学習すると考えており、大きな進化を遂げると見ているとThe Vergeは報じている。
パラメータが増えれば、AIはインターネットからより多量のデータを収集でき、理論的にはより精度が高くなる。
The Vergeによると、GPT-4は汎用人工知能(人間のように複雑なタスクを行う能力を持つAI)につながるかもしれないと考える人もいるという。しかし、OpenAIのCEOサム・アルトマン(Sam Altman)はこの噂を否定している。
StrictlyVCのインタビュー中、GPT-3の数十億のパラメータとGPT-4の数兆とされるパラメータを比較したグラフについて質問されたアルトマンは、「まったくのでたらめだ」と話している。
「GPT-4の噂話は馬鹿げたものだ」とアルトマンはStrictlyVCのインタビューの中で述べている。
「人々は失望を求めている。そして、そうなるだろう」
マイクロソフト(Microsoft)の新しい検索エンジン「Bing」がGPT-4を搭載するという噂があったが、マイクロソフトは発表時にGPT-3.5(GPT-3の微調整バージョン)を用いると発表した。
捉えどころのないモデルにまつわる憶測にもかかわらず、ムラティはGPT-4が「人々のチャンスを広げる」かもしれないとFast Companyに語っている。
ムラティは、ChatGPTの学校での利用をめぐる論争に触れ、ChatGPTがカンニングや盗作を助長すると信じて不満を抱く教師たちを、例えば授業計画の作成を助けるツールとしてGPT-4を使う幸せな教師に変えると考えている。
「ChatGPTを使えば、無限のやりとりが可能で、複雑なトピックについても、使用する人の状況に応じた方法で教えてくれる。これは家庭教師のようなものだ」
今のところGPT-4はまだ非公開で、アルトマンCEOもいつ公開するかは発表していない。
「安全かつ責任を持って実行できると確信されれば、いずれ公開されるだろう」とアルトマンはStrictlyVCに語っている。