経済的な逆風にさらされているミレニアル世代が、最も優先すべきは貯金だ。
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- ミレニアル世代の多くが、収入の少なさが原因で、経済的に前進できないと考えていることが、Insiderの調査でわかった。
- 確かに、ミレニアル世代は今、深刻な逆風にさらされている。それでもなお、少額ずつでも貯金や投資をすることは可能だ。
- 貯金を支出扱いにする、自動振替を利用する、想定外の臨時収入の使い道を計画するなどの方法で、誰もが貯金を増やせるだろう。
ミレニアル世代は、パンデミック前から経済的に苦しい状況にあった。Insiderが2020年に実施した調査によると、ミレニアル世代の多くは収入の少なさが富を築けない原因になっていると考えているという。
認定ファイナンシャルプランナーのエリック・ロバージ氏によると、投資は必ずしも不可欠ではない。しかし、株式市場で資産を働かせないということは、たとえば定年退職後などの目標を達成するために、より多くを貯金しなければならないことを意味している。
自分の収入が少ないと感じている人でも、貯金をしていくことは可能だ。まずは、生活防衛資金を構築しつつ、さらに少しずつでも投資をしていく。本記事では、そこにたどり着くための方法を3つ紹介しよう。
1. 貯金を必要な「支出」と捉える
貯金と支出は、切っても切り離せない。むしろ、貯金を欠かせない支出と捉えて、はじめから計画に入れ込むべきだと、ピープルズ・ユナイテッド・アドバイザーズ(People's United Advisors)のファイナンシャルプランニング戦略部門で副部長を努め、認定ファイナンシャルプランナーでもあるズザナ・ブロチュ氏は、Insiderに語った。
たとえば、生活防衛資金口座や退職金口座にお金を振り込まなければならないと頭ではわかっているのに、そうできるほどの収入がないと感じるときには、逆の視点から物事を考えてみればいい。絶対に必要な支出(食費、家賃など)をリストアップして、そこに、たとえどれだけ少額でも、貯金額も含めよう。
それらの総額を毎月の収入額から差し引いて余った額が、あなたにとって本当の意味で自由に使える所得だ。こうすれば貯金が毎月の支出として扱われるので、楽しいことに使えるはずの余ったお金を貯金に回さなければならないという感覚がなくなる。
この方法で収入から直接貯金したときに何も残らない、あるいは赤字になるようなら、必要な支出を見直すべきだろう。節約できる余地が見つかるに違いない。
2. 貯金と投資を自動化する
現代が誇る最高に便利な資金管理ツールとして、自動振替と自動預金を挙げることができる。
いつ(たとえば月に1回)、どれだけ(毎回1万円など)貯金するかを一度設定して、ときどき設定を見直すだけで、あとはお任せだ。面倒で先延ばしにされがちな決断を繰り返す必要がなくなる。
そのような自動化の代表例として会社の退職金口座が挙げられるが、ブロチュ氏は証券会社の個人用退職金口座で同じような仕組みをつくればいいと勧める。会社が給与の一部を直接そのような退職金口座に振り分けてくれたら理想的だ。
それができないのなら、給料が口座に振り込まれたらすぐに退職金口座に振り替えられるように自分で設定しよう。そうすることで、貯金する前にお金を使ってしまうリスクがなくなる。
生活防衛資金を構築する際も、同じ方法で預金口座に振り替えればいいだろう。
3. 臨時収入の使い方を計画する
税金の払い戻し、年次あるいは四半期のボーナス、あるいは遺産相続など、イレギュラーな収入があったら、貯金を殖やす完璧な機会とみなそう。
臨時収入が得られた場合、どうすればそれを最大限に活かせるか、時間をつくって考えておくといい。半分を貯蓄や投資口座に回して、残りの半分で請求書の前払いをしたり、お祝いのパーティを開くとか。
臨時収入をさまざまな用途に分けて使う計画を立てておくことで、実際に収入があったときに、散財する誘惑に勝ちやすくなるはずだ。臨時収入があるのはありがたいこと。だからこそ、最大限に活用しよう。