株式から離れるときが来た?…新しい時代のポートフォリオとは

プリンシパル・アセット・マネジメントのチーフ・グローバル・ストラテジストであるシーマ・シャー氏

プリンシパル・アセット・マネジメントのチーフ・グローバル・ストラテジスト、シーマ・シャー氏。

Courtesy of Principal Asset Management

  • プリンシパル・アセット・マネジメントのチーフ・グローバル・ストラテジスト、シーマ・シャー氏は、投資の新時代への展望をInsiderに語った。
  • 流動性が枯渇し金利が高くなっているため、現在の株価上昇が続いている間は、投資家は株式のリスクを減らし、利益を確保するべきだとシャー氏は述べている。
  • インフレの影響を最小限に抑え、安定した資金を維持するためのポートフォリオのバランスの取り方をシャー氏が解説する。

プリンシパル・アセット・マネジメント(Principal Asset Management)のチーフ・グローバル・ストラテジストのシーマ・シャー(Seema Shah)氏によると、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)が10年間のゼロ金利政策の後に金融引き締めを行うと約束したことで投資の新時代が到来しつつあり、投資家は2023年以降に別の戦略を取る必要があるという。

「以前とはまったく異なる状況であり、これまでのようなリターンを得ることは難しくなるだろう」とシャーはInsiderに話した。

「投資家は、この10年で慣れ親しんだ行動に頼ることができなくなる」

より良いポジショニングは、ダウンサイドリスクを軽減することから始まるが、その多くは、金融緩和の時代に大きな恩恵を受けた株式市場に起因すると彼女は説明する。

シャーは、株式は今後、主要な負け組のひとつになると考えている。しかし現在の株価の上昇は、業績後退や景気後退といったさらなる逆風に見舞われる前に利益を確保してポジションを抜け出す絶好の機会である。

オルタナティブ資産で新時代に向けた分散投資を

最近の歴史と照らし合わせ、魅力的なリターンを生み出していることを考えると、債券や債券市場を安全な場所だとシャー氏は見ている。

シャー氏は2023年、特定の銘柄には目を向けていないが、ヘルスケア、エネルギー、公益事業などの分野が気に入っているという。

彼女は、2023年もインフレ率は引き続き減速すると見ているが、FRBの目標とする2%まで低下するのは2024年以降になると予想している。シャー氏は、物価高は上場インフラのようなインフレを緩和するポジションの必要性を示していると述べて、長期資産を持ち、必要不可欠なサービスを提供する企業に言及した。

歴史的に見ても、経済成長率が低く、インフレ率が高い時期には、上場インフラは債券や株式よりも優れているという。

一方、シャー自身もインフレの影響を受けにくい新時代のコモディティを好んでいる。

「コモディティには常に変動性がある。しかし、長期的に見れば、コモディティは有限の資源であるだけに、その実態は強い」と述べている。

中国市場への短期的な投資

中国の景気回復と「ペントアップ需要(pent-up demand)」の解放という追い風が吹いているため、プリンシパル・アセット・マネジメントは今後6カ月の間、中国株に対してポジティブな見方をしているという。

しかしながら、2023年以降は地政学的緊張や政策の不確実性によって、同社の楽観的な見方は弱まっている。

「一般的に(地政学は)動きが遅く、アメリカと中国はおそらく長い間その中に閉じ込められている」とシャーは言う。「それは、アメリカと中国、双方の成長を制限することになる。地政学的な圧力は、中国の株式市場の成長、収益、企業の強さに影響を与えるだろう。しかしそれは、どちらかと言うと2024年以降の問題だ」とシャーは述べている。

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