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代替明太子から「フードスプレー」技術まで、“食”の最新技術展が開幕【FOODEXJAPAN】

3月7日に開幕した「FOODEX JAPAN2023」

3月7日に開幕した「FOODEX JAPAN2023」。

撮影:土屋咲花

食品業界のトレンドが集まるアジア最大級の展示会「FOODEX JAPAN2023/国際食品・飲料展」が3月7日、東京ビッグサイトで始まった。10日までの4日間、国内外の2500社が出展する。現地では、大豆ミートなどの代替肉にとどまらず多様な食材の開発が進み、家庭で手軽に味わえる冷凍食品を開発する企業が多数見られた。

関心が高まる代替食やフードロス削減に貢献する技術など、注目の出展を紹介する。

ツナや明太子、高級食材まで。幅広い代替食品がラインナップ

「ディーツ」を使ったおにぎりやキンパ

「ディーツ」を使ったおにぎりやキンパ。

撮影:土屋咲花

おからとこんにゃくを原材料としたプラントベースミート「Deats(ディーツ)」を使い、さまざまな代替食を開発するディーツフードプランニングのブースでは、和洋幅広い代替食品を展示していた。

ディーツを5割配合した「鮭」や「ツナマヨ」は、形状や食感を変える技術で味わいを再現。ツナマヨは見た目もさることながら、ツナ特有のしっとりとした食感や嚙んだ時の魚のうま味が感じられ、本物にかなり近い味わいだった。

「ディーツ明太子」は辛みや塩味は本物と比べて薄く感じるものの、後味には少しピリッとした辛みが残った。コレステロールやプリン体はゼロだという。

同社はおからとコンニャクを結着する技術や、大豆特有のにおいを消して形状や食感を変化させる技術などの独自技術によって食べ応えのある代替食を目指している。80〜90種類に上るレシピがあり、汎用性の高さが売りだという。開発中の食材を紹介するコーナーには、フカヒレやウナギのかば焼き、ウニなどの高級食材も並んだ。

国産大豆を生かしたプラントベースフード「ギャンモ」

「ギャンモ」を挟んだサンドイッチやバーガー

「ギャンモ」を挟んだサンドイッチやバーガー。

撮影:土屋咲花

一方で、伝統的な大豆加工食品の良さを生かした「代替食」もある。

がんもどきに着想を得た「ギャンモ」。日本ソイフードマイスター協会と大豆加工食品の製造を手掛けるエヌ・ディ・シーが開発した「進化系ネオがんもどき」だ。潰した豆腐と野菜を混ぜ、油で揚げたがんもどきは、由来が「雁(がん)の肉もどきとして作られた」との説もあり、「元祖プラントベース」とも言える。

ギャンモは肉に味わいを近づけるのではなく、古くから親しまれてきたがんもどきのように、大豆加工食品の延長線上で味わってもらうことを狙う。木綿豆腐と北海道産の丸大豆から作られた大豆ミートを主原料とし、洋食など幅広い料理にも合わせやすい大豆加工食品に仕上げた。

油でシンプルに焼き上げた「ギャンモ」は、素朴で優しい味わいながらしっかりとした食べ応えがあった。意外なほど、「がんもどきっぽさ」はない。甘辛い洋食風のソースなどの味付けにマッチしそうだ。

油やマヨネーズをスプレー化。「フードスプレー」は賞味期限の伸長も実現

調味料が入った「フードスプレー」

調味料が入った「フードスプレー」。

撮影:土屋咲花

噴霧バルブやポンプの製造を手掛ける1956年創業の老舗企業・三谷バルブは、食品用の「フードスプレー」を出展した。

同社はもともと、化粧品や医療向けのエアゾールバルブなどを製造していたが、今後の市場規模縮小を見据えて食品市場にも進出。強みである液体の霧化技術を生かし、油など粘度が高い液体の噴霧化を実現した。食品に適したエアゾールバルブは、調味料メーカーなどの企業向けに提供する。

オリーブオイルやごま油などの調味料をスプレー化することで、料理の幅が広がることにつながる。噴霧によって香りが立ちやすく、均等に味付けが可能になるという。2重構造のボトルは内容物が酸化しにくく、賞味期限が伸びることで食品ロス削減にも貢献できると説明している。

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