火星探査車「キュリオシティ」がとらえた火星のサンセット。
NASA
- NASAの火星探査車「キュリオシティ」が、太陽の光によって照らされた火星の雲を初めて撮影した。
- ドライアイスでできている可能性があるという火星の雲から、太陽の光が差し込んでいる。
- キュリオシティは、羽毛のような虹色の雲の写真も撮影した。
NASAの火星探査車「キュリオシティ」は、火星から見える幽玄な夕日のような太陽光線を初めて撮影した。
キュリオシティが2023年2月2日に撮影した美しい写真は、薄い雲の向こうに太陽が沈む様子をとらえたものだ。この雲は通常にはない高度にあり、おそらくドライアイスとして知られる凍った二酸化炭素でできているとみられる。NASAはこの不気味な写真を3月6日に公開した。
キュリオシティがとらえた火星のサンセット。
NASA
太陽の光が雲の向こうから差し込み、雲をくすんだ緑やピンクに照らし出している。
キュリオシティは、下の写真のようにピンク、緑、青に見える、羽毛のような火星の虹色の雲の写真も撮影した。
キュリオシティは羽毛のような雲の写真も撮影した。
NASA
「虹色に見えるところは、雲の粒子サイズが、雲の各部分にある隣の粒子と同じであることを意味する」と、大気科学者のマーク・レモン(Mark Lemmon)はリリースで述べた。
「色が変わる部分を見ることで、雲のなかで粒子の大きさが変わっていることがわかる。これは、時間とともに雲が進化して粒子の大きさが変わっていくことを教えている」
NASAによると、この2枚のすばらしい写真はどちらもキュリオシティが地球に送った28枚の画像を組み合わせたもので、ハイライトを強調するように編集されている。
サンセットの画像は2021年にキュリオシティが行った、頭上に真珠のように輝く雲を観測した調査を発展させたものだ。
キュリオシティが火星で2022年に撮影した5枚の画像を組み合わせたもの。真珠層のような虹色の雲が映っている。
NASA/JPL-Caltech/MSSS
新しい調査はキュリオシティのカラーカメラにより大きく依存している。観測は1月から始まり、3月中旬まで続けられたため、キュリオシティは火星の雲に関する多くの情報をNASAの科学者に送っているはずだ。
NASAの火星探査車「キュリオシティ」は、マストにつけられたナビゲーションカメラを使い、2021年、日没直後の雲を撮影した。
NASA/JPL-Caltech
火星の大気には水分があまりないため、火星で雲ができるのは珍しい。その大気の密度は、地球のわずか1%だ。雲が現れるのはほとんどの場合、火星の赤道付近で、太陽から最も離れた1年で最も寒い時期だ。