パンデミック時に最も積極的だった住宅購入者層の中には、現在購入にブレーキをかけている人もいる。
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8年前、不動産投資を始めようとしたダン・レーン(Dan Lane)氏は、他の投資家による戦略のアイデアを集めるために、さまざまなポッドキャストを聞いてみた。
しかし、その多くはすでに巨大なポートフォリオを築いている投資家へのインタビューで、初心者の彼には共感できないものだった。
そこで、彼は自分の番組『賃貸収入ポッドキャスト(the Rental Income Podcast)』を立ち上げた。
「『賃貸収入ポッドキャスト』を始めたのは自分のためです。ただ自分が聞きたいことを聞き、どうすればもっと賃貸物件を購入できるかを考えるためでした」
レーン氏は現在、自宅のあるバージニア州に6つの賃貸物件を所有しており、当初の目的は達成された。しかし、今やこの番組はそれ以上の広がりを見せている。現在、レーン氏はフルタイムの仕事としてこの番組のホストを務め、これまでに400以上のエピソードを制作しており、毎月約10万人のリスナーがいるという。
「不動産の話をするのがとにかく好きなんです。この仕事をするために生まれてきたように感じています」
400を超えるエピソードの中で、レーン氏は不動産投資が人々の生活をどのように変えたかを数多く聞いてきた。
彼は、番組のゲストが不動産投資によって経済的目標を達成した例をいくつか紹介してくれた。
子どもの大学進学のために
レーン氏が最初に話してくれたのは、子どもの大学の学費を払えるようにしたいという父親の例だった。
その父親は、子どもが幼い頃にいくつかの賃貸物件を購入し、それぞれに20%の頭金を入れ、15年のローンを組んで、子どもの大学入学までに完済できるようにした。その15年の間にキャッシュフローは得られなかったが、物件のエクイティが蓄積され、完済後は受動的な収入が得られるようになったので、それを学費の支払いに充てることができたとレーン氏は言う。
レーン氏によると、この父親はこれまで家賃収入で2人の子どもを大学に通わせており、子どもが全員卒業すれば、その後は自分のための収入源になるという。
「末子の卒業後も物件を所有していてキャッシュフローもあり、老後の収入を得られるなんて素晴らしいですよね」
労働時間短縮のための給与の補填として
レーン氏は、週40時間働くのが嫌な男性が、自由な時間を確保するために不動産投資を活用した例も紹介してくれた。
その男性は自分が住むための家を購入し、住宅ローンの支払いを節約するために地下室をテナントに貸し出していた。また、3世帯住宅と2世帯住宅を購入し、それらの物件を賃貸にしていた。彼はそれぞれに20%の頭金を払っており、その家賃は月に数千ドルの余剰のキャッシュフローを生み出すのに十分なほど高かったとレーン氏は言う。
レーン氏によれば、そのキャッシュフローと家賃の節約を合わせた結果、彼は仕事の時間を減らして、他のことに没頭できるようになったという。
「それらの物件から得られるお金と、地下室を人に貸すことで得るお金を合わせると、彼の給料の半分くらいになります」
「40歳、401kなし」の場合の退職金として
レーン氏が話してくれた3つ目の例は、40歳前後の、401kに退職金を積み立てていない男性の例だ。アメリカ国勢調査局のデータによると、これはよくあることのようだ。55〜66歳のアメリカ人の約半数が、老後の資金を蓄えることができていないのだ。
この男性は、段階的に4つの賃貸物件を購入した際に30年ローンを組んだが、その後15年ローンに借り換え、現在は完済している。この男性は6桁(10万ドル以上)の収入がある仕事をしており、20%の頭金を支払うだけの資金を貯めることで、1年に1軒程度のペースで住宅を購入することができたとレーン氏は言う。
レーン氏によれば、現在、これらの物件は月に5000〜6000ドルのキャッシュフローを生み出している。この男性は、今のところまだ働いていて、そのお金を銀行に預けているが、仕事を辞めたときにはこれらの物件がもうひとつの収入源となるだろう。
「彼はまだフルタイムで働いています。でもある日、『もう働きたくないから引退しよう』と思ったとしても彼にはその収入がある。要するに、彼は自分で年金を作ったということですね」