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気を失う消防士も… インドの巨大な「ごみの山」で火災が発生、有害な煙が街を覆う

火災

黒い煙が立ち込める、ニューデリーにあるブホールスワ処分場(2022年4月27日、インド)。

AP Photo/Manish Swarup

  • インドでは3月2日、巨大なごみの山で火災が発生し、有害な煙が街を覆っている。
  • CNNによると、消火活動にあたった消防士の中にはこの煙を吸って気絶した人もいるという。
  • 60万人以上が暮らすコチでは、全住民に屋内待機が呼びかけられている。

インド南部のケララ州コチにある巨大なごみの山で火災が発生し、60万人以上の人々が街を覆う濃い煙と戦っている。

CNNによると、広さ約6万5000平方メートルのブラーマプラン廃棄物処分場 —— 大量のプラスチックごみを含む —— で3月2日夜、火災が発生した。

この火災でコチの街は濃い煙に覆われている。住民には屋内待機が呼びかけられていて、外出する際はN95マスクを使用するよう推奨されていると、BBCは報じた。

現地紙『ニュー・インディアン・エクスプレス』のジャーナリスト、マノジュ・ビスワナータン(Manoj Viswanathan)氏のツイートは上空から捉えた、処分場からもうもうと吹き出す濃い煙の様子を伝えている。

「ブラーマプランの火災のせいで、スリップニスラは今、ガス室のようだ」と現地ジャーナリストのS・アナンダン(S. Anandan)氏はツイートしている。アナンダン氏は濃い煙に覆われたコチの街の様子を捉えた写真を投稿している。

コチの街を覆う有害な煙は、消防士たちにも影響を及ぼしている。インディアン・エクスプレス紙によると、少なくとも20人の消防士が消火活動にあたった後、呼吸困難に陥ったという。中には煙を吸った後、気を失った消防士もいたとCNNは現地消防署の情報をもとに報じている。

欧州連合(EU)の国際都市間協力プログラムがまとめた2020年の報告書によると、ブラーマプラン廃棄物処分場には1日あたり約100トンのプラスチックごみが持ち込まれているという。

ケララ州政府は3月5日、火の勢いは落ち着いたと述べた。Insiderはコチの消防署に鎮火したかどうか問い合わせたが、回答は得られなかった。

現地では煙を吸って具合が悪くなった患者を治療するため、コチにある公立病院のベッド100床を確保したと、ケララ州の保健大臣はインディアン・エクスプレス紙に語った。

インドにあるごみの山で火災が発生するのは、これが初めてではない。2022年だけでも、何度も廃棄物処分場で火災が起きている

2022年3月にはデリー有数のごみの山、ガジプール処分場で火災が発生した。CNNによると、このごみの山は20階建てのビルほどの高さがあり、2日にわたって燃え続けた。その翌月には、ニューデリーにある広さ約14万6000平方メートルのブホールスワ処分場でも火災が起きたと、インディアン・エクスプレス紙が報じていた。

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