一部のZ世代は、就職面接で危険信号に目を光らせている。
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- Z世代は、面接でワークライフバランスについて質問すると、就職に不利になるかもしれないと心配する人がいる。
- その一方、雇用主がワークライフバランスを重視していないことがわかる「危険信号」を面接で探している人もいる。
- Z世代は企業の危険信号として、「目標の不明確さ」や「ボーナス日」を挙げている。
多くのZ世代は、自分に目的を与えてくれる仕事を探しているが、それと引き換えにいい給料や柔軟性、健全なワークライフバランスを犠牲にすることを望まない人もいる。
ワークライフバランスは人によって違い、業界によっても変わるものだが、4人のZ世代のプロフェッショナルたちは、9時から5時までの勤務時間以外で趣味や副業などができる仕事を優先して探すとInsiderに語っている。
「Z世代は、ネット上であらゆる事例を見てきているため、自分自身を主張するとより快適になることを学んでいる」と22歳のコミュニケーション・スペシャリスト、アレクサンドリア・アン(Alexandria Ang)は以前、Insiderに語っている。
小売業界で働いていた24歳のプレストン・ジェイコブソン(Preston Jacobson)は、ワークライフバランスが適切ではなかったため、2023年2月に退職したという。現在、より自分の時間を大切にできる新しい仕事を探している。
「私にとって、ワークライフバランスとは、健全な社会生活やと家庭生活を維持しつつ、透明性の高い成長システムの中で成果を上げることだ」とジェイコブソンは言う。彼は、突然の出張、週末の呼び出し、分かりにくい成功指標などによって、より多くの給料を得るために社会生活をおろそかせざるを得なかったと付け加えている。
ジェイコブソンのように仕事から離れる時間を十分に確保できる毎日を望むことは珍しいことではないが、Z世代の中には、怠け者だと思われたくなかったり、自分の役割に専念していないと見られたくない人もいる。
仕事を探すZ世代には、面接で企業のワークライフバランスへの取り組みについて直球で質問するのではなく、雇用主にとってワークライフバランスが優先事項なのかどうかを判断できる特定の危険信号に注目する人もいる。ここでは、その5つの危険信号を紹介する。
1. 「全力で働く人」を求める
ホルヘ・アルバレス(Jorge Alvarez)が就職希望先にワークライフバランスの方針を尋ねたところ、「一生懸命、全力で働く人」が必要だという話をした面接官が何人もいたという。その答えは、アルバレスと企業の価値観や期待値が一致していないことを物語っていた。
慈善事業や社会的影響力のある仕事を探している24歳の起業家アルバレスは、「『働くために生きるのではなく、生きるために働く』という考え方を体現し、実践したい」と話す。生きるために働くという考え方は、「ただの仕事ではなく、本当に好きなことを仕事にする」ということが含まれている。
2. 小さなチームが大きな責任を抱えている
面接でアルバレスは、チームの規模やチームが取り組むプロジェクトの範囲について質問している。「他に誰がチームにいるのか」「このポジションで彼らとどのように関わっていくのか」などといった質問しをして、サポートのレベルを見極めるのだ。
大規模なプロジェクトを抱える小規模なチームは、掲載されている職務内容にはない負荷が重く、深夜や週末に働かなくてはいけない可能性があるとアルバレスは指摘する。
3. 目標が不明確、曖昧で変化する
ジェイコブソンは、面接を受けるたびに「構造的で透明性のある成長」を探し始めたという。というのも、彼の前職では自分のパフォーマンスを評価するための明確な指標がなかったからだ。
そのポジションに明確な指標があるかどうかを判断するために、彼は具体的な改善の機会や目標について質問した。
「面接官の答えの約50%は、『ビジネスに専念している』とか『成功のために特別な仕事をしている』といった内容で、このような回答は私には赤信号だ」とジェイコブソンは話している。
4. 趣味の時間を持てない社員がいる
コンサルティング会社で働く24歳のAJエクスタイン(AJ Eckstein)は、過去および現在の社員、さらには採用担当者の趣味や興味を知ることで、その企業の社員が仕事以外の時間を持てているかどうかを探ろうと試みているという。
「ワークライフバランスだけについて聞くのではなく、私は社員が仕事以外で何をしているのか聞いてみたい」と彼は話す。「仕事がとても大変で、仕事以外のことはあまりしていない」と面接官が話す場合や、彼らが週末も仕事に追われて趣味を楽しむ時間がほとんどない場合は「赤信号」だと彼は付け加えている。
5. 「一年で最高の日はボーナスの日」
「投資銀行業界で話を聞いた多くの人が、自分たちの仕事で最高の日は毎年のボーナスの出る日だと言っていた」とエクスタインは話す。
「お金がたくさんあることは素晴らしいことのように聞こえるが、私にとって人生はお金だけではないのでそれは危険信号だった。ボーナス支給日のために残りの364日を頑張るのは嫌だ」
エクスタインは就職活動において「自分の好きなことを仕事にできる会社や職業に就きたい」と考えていた。 もし全員が仕事よりも給料の高さを重視している場合、その会社は自分がやりがいを感じられる文化を推進していないかもしれないとエクスタインは指摘している。