Chick-fil-A
- チックフィレイ(Chick-fil-A)はアメリカを中心に2700店舗を展開しているファストフードチェーンで、プエルトリコやカナダにも出店している。
- チックフィレイはアジアやヨーロッパに進出する準備はできていると、CEOのアンドリュー・キャシー(Andrew Cathy)氏はウォル・ストリート・ジャーナルに語った。
- 同社はアメリカ以外の新たな市場を拡大するために10億ドル(約1340億円)を投資する計画だ。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、アメリカで最も成功しているファストフードチェーンのチックフィレイは、同社の"フライドチキンサンド"を海外進出させる計画だ。
2021年9月からチックフィレイのCEOを務めるアンドリュー・キャシー氏は、同社にとっては今こそ「イノベーションを続け、海外市場に挑戦し、試行錯誤して学びを得る」時だと同紙に語った。
ヨーロッパやアジアに進出するため、チックフィレイは2026年までに10億ドルを投資する計画だとキャシー氏は話している。
ジョージア州アトランタを拠点にアメリカ47の州とワシントンD.C.、プエルトリコ、カナダで2700以上の店舗を展開する"チキン"が売りのチックフィレイにとって、海外進出は大きな転換点になるだろう。同社はアジアで長年展開してきたケンタッキーフライドチキン(KFC)やマクドナルドといったアメリカ発のライバルと競合することになる。KFCだけでも海外に2万4000店舗近くある。
キャシー氏は、同社の将来を考えれば海外進出は不可欠だとウォール・ストリート・ジャーナルに語っている。同社はフランチャイズ加盟者の大半に1店舗以上の所有を認めない現在のフランチャイズモデルを「守る」考えだ。
Insiderはチックフィレイにコメントを求めたが、回答は得られなかった。
チックフィレイのフランチャイズ店を持つことは、どんなフランチャイズ加盟者にとっても魅力的なチャンスだ。
チックフィレイの店舗は、アメリカの他のどのチェーンよりも1店舗あたりの売り上げが多い。同社の2022年のフランチャイズ開示文書(Franchise Disclosure Document)によると、大半の店舗が年に約810万ドルを売り上げているという。これはマクドナルドの平均的な年間売り上げの2倍以上だ。
市場調査会社Technomicによると、チックフィレイはアメリカで3番目に売り上げの多いレストランチェーンだ。2021年の売り上げが167億ドルだったチックフィレイよりも売り上げが多かったのは、マクドナルドとスターバックスだけだった。
チックフィレイのCEOアンドリュー・キャシー氏。
Chick-fil-A
チックフィレイが海外にどのくらい店を出すかは分からないが、2030年までに5つの国際市場を狙っているとキャシー氏はウォール・ストリート・ジャーナルに明かした。
チックフィレイが海外進出に言及するのは、これが初めてではない。キャシー氏の父ダン・キャシー(Dan Cathy)氏はCEOを退く前に、チックフィレイのアジア、ヨーロッパ、南米進出が楽しみだと語っていた。
同社はチックフィレイの"チキン"を北米以外の新たな市場に進出させようとしたこともあったが、当時はうまくいかなかった。
2020年にはチックフィレイがLGBTQに反対する団体に長年寄付をしていたことで抗議に合い、イギリスから撤退した。同社はこうした団体への寄付をやめた。また、ウォール・ストリート・ジャーナルによると、チックフィレイは1996年から2001年にかけて南アフリカで展開していたものの、ブランド認知を確立できずに撤退したという。