アパレル大手のアダストリアが手掛ける「GLOBAL WORK(グローバルワーク)」が新業態「GLOBAL WORK Smile Seed Store(グローバルワーク・スマイルシードストア)」を展開する。
14日、都内でブランド戦略説明会と商品展示会が開催された。
展示会で公開されたグローバルワーク・スマイルシードストアの商品と陳列。
撮影:土屋咲花
価格はグローバルワークの7割。「服にお金をかけたくない、でも妥協はしたくない」層がターゲット
グローバルワーク・スマイルシードストアは、グローバルワークの世界観を保ちながら「よりベーシックでシンプルな日常着」を展開することで、新しい顧客層の開拓を狙う。グローバルワーク営業本部長の太田訓さんは、新業態立ち上げの背景について
「コロナ禍をきっかけにお客様の価値観や生活が変化し、服の買い方が変わったと思っている。日常の大切さを感じたいという需要に変わってきたとすごく感じたんです 」
と話す。
もともとグローバルワークでは、子どもから20〜30代をメインターゲットに、オンシーンやトレンド要素のある商品が人気だった。
今回の新業態では、グローバルワークの良さを生かしつつ、インナーやルームウェアなどの商品群を拡充することで、ほぼ同年代をターゲットにしながらもオフシーンの需要の取り込みを狙う。商品の価格帯はシャツが1790〜2970円、ボトムが1980〜3960円(どちらも税込)と、「グローバルワークの7割程度に抑えた」(太田さん)という。また、別の担当者は「服にお金をかけたくないけど、妥協はしたくない層をターゲットにしたい」とも話す。
ただ、オフシーンの商品といえば、すでにユニクロや無印良品などの強豪が多い市場だ。
「10人に1人、 『(ユニクロや無印良品よりも)スマイルシードの方がいい』と思ってもらえたら。私たちが掲げるプロダクトコンセプトに対する二ーズは必ずあると思っています」(太田さん)
スマイルシードストアのブランドポジション
出典:アダストリア
「5年で150店舗」身近なマーケットへ出店へ
出店戦略や店舗設計も従来の店舗とは一線を画す。
15日にWEBストアがオープンするのを皮切りに、3月17日にはイーアス高尾、24日にはイオンモール船橋とリアル店舗も展開。これまでグローバルワークが出店していた商業施設よりも小規模な地域密着型ショッピングセンターや総合スーパーを中心に、5年で150店舗を目指すという。
「コロナ禍を経て、日常の時間を大切にすることや身近な施設を見直すという流れがあると感じています。グローバルワークは全国で200店舗以上展開していますが、まだまだそういった身近なマーケットに出店ができていなかった。今回、グローバルワークの新業態という形で展開する運びとなりました」(太田さん)
店舗は、「シンプルで迷わない」空間と陳列を意識し、ハイシェルフや壁面を中心とした什器を設置。各什器に対して商品説明のディスプレイをつけることで、接客コストを下げる。
靴下などのインナーウェアも充実する。
撮影:土屋咲花
店舗の作りには運営効率化の狙いもある。
グローバルワークは国内で205店舗を展開しているが、中には採用困難地域もあるという。グローバルワークには平均して3人の社員を配置しているが、スマイルシードストアでは原則2人とするという。