FIREを40代で達成したカップルが、その実現に用いた「15カ年計画」とは

キルステン(右)&ジュリアン・サンダース夫妻

キルステン(右)&ジュリアン・サンダース夫妻。

Rich & Regular

  • キルステン&ジュリアン・サンダース夫妻は40代で早期リタイアした。
  • 夫妻は現在、どうしたら彼らのような道をたどることができるのか、2人が実践した戦略をブラックコミュニティーで共有している。
  • 彼らの「15カ年計画」には、疲労の悪循環から抜け出し、自分の価値観に沿った生き方をするための経済的戦略が詰まっている。

2012年に出会ったキルステン&ジュリアン・サンダース夫妻は、会社の同僚だった。そのため、仕事は2人の間に常にある“余計な”存在だった。

彼らは結婚後も、出張の予定を入れられるようにと、ハネムーンを後回しにしたほど忙しかった。ようやくハネムーンに行っても、旅先で仕事のメールをチェックするため携帯を手放すこともできなかった。会社員としての仕事が、2人の関係にどれだけ影響を及ぼしているかを痛感した彼らは、生活を抜本的に変える必要があると確信した。

2人の著書『Cashing Out: Win the Wealth Game by Walking Away(原題)』でサンダース夫妻は、そもそも早期リタイアを望んだ理由の1つは「末長く幸せで健康的な結婚生活を送りたいと思ったから」と記している。

「資産を築くということは、離婚の主な原因であるお金の心配を断ち切り、余計な問題を抱えることなく2人の愛を育むための十分な機会を与えることで、結婚生活を守る手段でもある」

本記事では、夫妻の著書の中の「15年のキャリア」という章で彼らが共有している、早期退職するために2人が実践した15カ年計画の内容を紹介しよう。

1〜5年目:借金を完済する

経済的自由を手に入れるまでの最初の5年間は、規律と強い経済基盤を構築することだとサンダース夫妻は述べている。本紙が調査した記録によると、夫妻は「雪だるま式」と「雪崩式」の債務返済方法で、2013〜2018年の間に20万ドル(約2700万円)を超える借金を完済した。

「債務返済や資産形成に夢中だった私たちは、パーソナルファイナンスの世界にどっぷりハマり、関連書やポッドキャスト、ドキュメンタリー、関連記事からブログまで、あらゆるメディアから情報を得ていた」と明かしている。その過程で2人は、返済のための倹約生活を継続させるためにも、何かの節目の時にはささやかなお祝いをするようにしていたという。

また、夫妻はこの期間に2人にとっての富の概念を見つめ直し、過剰で華美な暮らし方から、すでにあるものをシンプルに楽しめるようになった。

「私たちの知る裕福な人たちのほとんどが、驚くほど普通の生活をしている」と指摘している。

6〜10年目:9時ー5時の仕事以外の収入の流れを作る

どうしたら収入が増やせるかサンダース夫妻がアイデアを出し合った時、当初は、より給料の良い会社に転職することを考えた。しかし、20万ドルの借金を完済した後、2人の生活にさらにストレスを加える恐れのある仕事に就いて年に3万ドル(約400万円)多く稼ぐという選択肢は、彼らにとって魅力的ではなかった。

代わりに2人は何年もかけて受動的な収入の流れを作り、退職金口座を最大限に活用し、賃貸物件にも投資した。彼らはファイナンシャルアドバイザーにお金を払って頼ることを辞め、独自で投資運用を始め、ほとんどの資金をインデックスファンドに投資した。

やがて、サンダース夫妻は、経済的自由の実現に関する自分たちの経験や知識をブラックコミュニティの仲間たちと共有することに情熱を感じていることに気付く。そこで、イベントを主催し、さまざまな街に出向いて多くの人と出会い、ブログの投稿も始めた。そうこうしているうちに、そのような活動から適度な収入が生まれるようになった。

11〜15年目:フルタイムの仕事を切り離す

この時点になると、確定拠出年金(401k)のような退職後の資金のための複数の貯蓄口座を満額で運用することを、身体が自然に覚えるようになるとサンダース夫妻は述べている。このような習慣が身に付くことで、仕事との付き合い方が完全に変わり、自分にとってフルタイムで働いている仕事よりはるかに楽しくお金を稼げる方法があることに気付く場合もある。

実際、早期リタイア後に自分の時間とエネルギーをどう使いたいのか、明確なビジョンがなければ、退職するタイミングを見極めるのは難しい。退職後の資金はいくらあるべきかという具体的な数字があるのか知りたい人も多いだろう。しかしサンダース夫妻は、そこには正解も不正解もないと言う。

夫妻は、「私たちの場合は、キャッシュフローの良い賃貸物件を2つ手に入れて、住宅ローンを完済し、何年かかけて世帯収入の半分で生活できるようになってから退職した」と明かしている。

「墓石に肩書きを刻む人はいない。人生の終盤になったら、仕事と自分を切り離すことは、誰もが始めるべきプロセスだ」

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