クレディ・スイス株は3月15日、過去最大の売りを記録した。
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- JPモルガン・アセット・マネジメントのCIOは、銀行セクターと経済にはさらなる痛みが待ち受けていると予測している。
- クレディ・スイスの混乱は「氷山の一角」にすぎないと、JPモルガンのボブ・ミシェル氏はブルームバーグに語った。
- ミシェル氏は、パニックが市場に波及し、景気後退は「避けられない」と話す。
JPモルガン・アセット・マネジメント(JPMorgan Asset Management)の最高投資責任者は、2008年以来最大のアメリカの銀行の破綻を受けてクレディ・スイスが混乱に陥り、世界の銀行セクターを襲う伝染病が始まったばかりがと述べている。
「このような長期的、変動的、累積的、遅延的な影響は、さらに市場を襲うことになるだろう。これは氷山の一角だと思う」と、ボブ・ミシェル氏は3月15日のブルームバーグTVで述べた。
ミシェル氏はさらに、「私は、これからもっと多くの統合があり、まだ多くの痛みがあると思う」と付け加えた。
クレディ・スイスの大株主の一人がこれ以上の金融支援を行わないことを表明したことで、銀行に対する投資家の信頼が低下し、クレディ・スイスの株価は3月15日に30%も下落した。これは過去最大の下落幅だ。
この乱高下は、アメリカの銀行破綻としては史上2番目の大きさだったシリコンバレー銀行(Silicon Valley Bank)の破綻に続くものだ。さらに、規制当局によるシグネチャー銀行(Signature Bank)の閉鎖、シルバーゲート銀行の自主清算もあり、投資家はこのセクターの本格的な危機を覚悟している。
JPモルガンの幹部は、銀行界にパニックが波及する中、景気後退は「避けられない」とし、さらに、経済が脆弱すぎてさらなる高金利に対応できないかもしれないという懸念から、連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを一時停止する可能性が非常に高いと述べている。
ミシェル氏は、今後数カ月の間に市場は「洗浄プロセス」を経るとし、「さらなる問題が予想される」と付け加えている。
3月15日、スイスの中央銀行であるスイス国立銀行は「必要に応じてクレディ・スイスに流動性を供給する」と支援の意向を示した。