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ミリオネアの「投資ポートフォリオ」に見る3つのトレンド。専門のFPたちに訊いた

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ミリオネアの多くは、高い株式配分を持つ退職口座に多くの資産を保有している。

mediaphotos/Getty Images

  • ミリオネアを専門にするファイナンシャルプランナーに、クライアントたちの典型的なポートフォリオについて尋ねた。
  • ほとんどのミリオネアは、現金はあまり多く保有せず、資産の多くを株式や不動産に投資している。
  • また、彼らの多くは資産をIRA(個人退職勘定)や401K(確定拠出年金)などの退職金口座に保管している。

誰だって、いつかはミリオネア(大富豪)になりたいと願っている。今はまだその目標にはほど遠いかもしれないが、せめてこれ以上ゴールから遠ざかることがないようにしたいところだ。

そのためには、つまらない散財をしたり、戦略のないまま投資を行う、といった財テク上の過ちをなくすべきだろう。また、ミリオネアの人々が年月を費やして純資産を増やした戦略を知りたいはずだ。

残念ながら、筆者にはミリオネアの知り合いがほぼいない。とはいえ、インターネットで見つかるアドバイスの多くはありきたりだ。なので、3人のファイナンシャルプランナーたちに、実在するミリオネアたちのポートフォリオの秘密について尋ねてみた。

以下、彼らが指摘した3つのトレンドを紹介する。

1. 投資の内訳は株式70%、債券30%

ボンファイアー・ファイナンシャル(Bonfire Financial)のFPであるニック・コールマン氏は、自身がサポートするミリオネアたちをざっと見渡すと、多くは今キャリアの頂点、もしくは終わりに差し掛かっていることに気づくという。そのため、クライアントたちの標準的なポートフォリオの内訳は共通しているそうだ。

コールマン氏によると、クライアントのポートフォリオはおおよそ投資が70%、債券が30%を占める。現金はほとんどの場合で10万ドル(約1300万円)以下でしかない。

「ほとんどのクライアントは富を増やすことを目差し、現金を少なく、投資を多くすることを好む」とコールマン氏は言う。

彼らの純資産に占める住宅資産の比率は、通常は50%に満たないそうだ。多くは家屋を純資産の一部とはみなしておらず、アセットのみに意識を向ける。

加えて、クライアントたちは平均して資産のおよそ3%を金やデジタル資産、あるいはコモディティなどのオルタナティブに投資しているとしたうえで、コールマン氏はこう付け加えた。

「誤解のないように言っておくが、人それぞれで状況が大きく異なっている。だから、自らの現状と目標を理解して、自分に合った戦略を立てなくてはいけない。その戦略を必要に応じて修正し続けるには、資格のあるアドバイザーのサポートが必要だ」

2. 不動産や各種証券に重点を置くミリオネアもいる

CFA兼FPのシンシア・メイヤー氏は、ミリオネアのクライアントの一部は別のアプローチを用いるという。

メイヤー氏がアドバイスする典型的なミリオネアの場合、ポートフォリオの内訳は35%から60%が不動産投資で、残りの40%から50%が多様な証券ポートフォリオへの投資だそうだ。

「彼らは加えて20万ドル(約2660万円)から30万ドル(約3990万円)ほどの現金を持っている」とメイヤー氏や言う。「住宅ローン以外の借金はなく、ライフスタイルに支出する額も多くない」

また、彼らの多くは純利益の25%から35%を退職金口座に貯金するか、さらなる不動産へ再投資しているそうだ。

3. ミリオネアの多くは退職金口座に多額を投じる一方で、ほかのポートフォリオや現金にはあまり依存しない

FPで、ストーン・パイン・ファイナンシャル(Stone Pine Financial)の共同創業者でもあるアンドリュー・ヘロン氏は、同社が協力する典型的なミリオネアは、住宅資産を除いておよそ100万ドル(1億3300万円)から500万ドル(約6億6600万円)の純資産を所有しているという。

そして、彼らのほとんどは資産の70%を確定拠出年金などの退職金口座に投じている。25%はさまざまな投資口座に、そして残りの5%を現金として保有する。

ヘロン氏はこう付け加えた。「当社の典型的なクライアントは退職金口座と投資口座に有する資産の60%から70%を株式市場に、30%から40%を債券市場とほかの安定した投資先に分散している」

※本記事は取材対象者の知識と経験に基づいて投資の選定ポイントをまとめたものですが、事例として取り上げたいかなる金融商品の売買をも勧めるものではありません。本記事に記載した情報や意見によって読者に発生した損害や損失については、筆者、発行媒体は一切責任を負いません。投資における最終決定はご自身の判断で行ってください。

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