年収2000万円超のテック企業の人事責任者が会社を辞めて、時給15ドルの造園の仕事に転職した3つの理由

メアリー・ヤンチさん

Mary Jantsch/Instagram

  • メアリー・ヤンチさん(30)は、自らを「元人事責任者の庭師」と称している。
  • ヤンチさんは企業の人事部で年収16万5000ドル(約2180万円)を得ていたが、今は種苗店で時給15ドルで働いているという。
  • ヤンチさんは自身が転職した理由を3つ挙げていて、一連の変化の様子をインスタグラムで記録し続けている。

テック業界を辞めて、造園業に転職する —— 収入も大幅に減る —— という"人事のプロ"が自らの新しい生活をオンラインで記録している。

メアリー・ヤンチさんは先日、「ボイジーの新人庭師をよろしく」とリンクトイン(LinkedIn)に投稿し、企業の世界から離れたことを報告した。ヤンチさんはこれまで9年間、さまざまなスタートアップで働いてきた。

ヤンチさんは人事部の責任者として年収16万5000ドルを得ていたが、独立するために退職し、今は時給15ドルで働いているという。

「給与の透明性を高めることがわたしのキャリアの中心だったので、数字をシェアすることよりもなぜ今回このようなキャリアチェンジをしたのか説明する方がよっぽど怖い」とヤンチさんは明かしている。

アメリカのアイダホ州ボイジーでなぜ庭師になろうと思ったのか、ヤンチさんは3つの主な理由を挙げ、一連の変化の様子をインスタグラムを通じて人々にシェアしている。

ライフスタイル

ヤンチさんは自身がテック業界で成功できたのは、ADHD(注意欠如・多動症)の影響で仕事に過度なまでに執着し、「それを維持するために他の全てのことを捨てていた」からだと説明している。キャリアチェンジをするまでは、なかなか休むことができず、バーンアウト(燃え尽き)も経験したという。

「無理に次のステップを考えようとするのをやめたとき、自分を回復させるものは何か… 土地こそがわたしが回復させたいものだと気付いたんです」とヤンチさんは書いている

独立

自分はまだ「スポンジのように物事を吸収し、学ぶ段階」だとしつつも、ヤンチさんはいずれ自分自身の造園会社を立ち上げたいと考えているという。

「今は植物園でボランティアをしながら、種苗店で働いている」というヤンチさんは、時給15ドルの仕事もこの分野の第一人者から学ぶための投資だとしている。

市場のニーズ

ヤンチさんによると、自身がガーデニングに携わるきっかけは2021年にボイジーに引っ越した際、干ばつに強い庭づくりに詳しい造園師がいないことに気付いたからだという。

「耐乾性の庭や干ばつに強い庭の維持に詳しい庭師や造園師を見つけるのに苦労しました」とヤンチさんは当時を振り返った。

「つまり自分で学ばなければならないということで、そこでひらめいたんです」

ヤンチさんのフォロワーたちは、この決断を支持する声を寄せている。

「自分自身、心が休まることがなく、テック業界でのキャリアも当てにならないので、あなたの冒険は見ていて本当にモチベーションになる」とあるユーザーは書いている。

何かと要求の多い仕事を辞めて、心が安らいだと話しているのはヤンチさんだけではない。教師をしていたマギー・パーキンス(30)さんは教育の仕事を離れ、地元のコストコで働いている。パーキンスさんは暮らしが圧倒的に向上したとInsiderに話している。

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