つまらない会議、はびこる忖度…生産性が低い会社は「バカな質問」が足りていない

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Wavebreakmedia/Getty Images

今週も、早稲田大学ビジネススクールの入山章栄先生が経営理論を思考の軸にしてイシューを語ります。参考にするのは先生の著書『世界標準の経営理論』。ただし、本連載はこの本がなくても平易に読み通せます。

「こんなことを聞いたらバカだと思われるかな」という恐怖心から会議などで疑問を口にできなかった、という経験はありませんか? しかし入山先生によると、その一見バカみたいな質問こそが往々にして物事の本質を突くきっかけになるものなのだそうです。

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「バカみたい」と思われてもいい

こんにちは、入山章栄です。

みなさんは会議などで、「何か質問はありますか?」と聞かれて、「こんなことを聞いたらバカだと思われそう」と思い、言葉を飲み込んだ経験はないですか?

ところが実はそういう「一見、頭が悪そうな質問」こそ、いい質問であることも多いのです。


BIJ編集部・常盤

BIJ編集部・常盤

入山先生はよくいろいろな方と対談をされますよね。そのとき、まったく馴染みのない分野の話題になることも多いと思います。そんなとき恥ずかし気もなく「それって何ですか?」とか「その言葉初めて聞いたんですけど、どういう意味ですか?」などと聞けますか?


僕はわりと、すぐに聞いちゃいますね。


BIJ編集部・常盤

BIJ編集部・常盤

そうですか……私、なかなかそれができなくて。でも最近、『アトランティック』誌の「本当にいい質問はちょっと間抜けな質問だ」というコラムを読んで、なるほどと思ったんですよね。私は今まではバカだと思われたくなくて、「スマートな質問をしなくちゃ」というプレッシャーがあったんですよ。


なるほど。僕も昔はそうでした。でも今は、一見「バカみたいな質問」って本当に重要だと考えていて、意図的にそういう質問を会議や対談ですることも多くあります。

キーワードは、「そもそも論」です。僕がそれを痛感するようになったのは、アメリカから日本に帰ってきて、いろいろな会社の経営会議に出席するようになってからです。日本ではみんな、びっくりするくらい「そもそも論」を議論しないんですよ。

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