ジャクソン・グレートハウス・フォールはChatGPTの指示に従ってビジネスを始めた。
Jackson Greathouse Fall
- ジャクソン・グレートハウス・フォールという男性は、ChatGPTに100ドルを「できるだけ多くのお金」に変えてほしいと依頼した。
- グレートハウス・フォールはそれから1週間も経たないうちに、環境に優しい製品に関するウェブサイトを立ち上げた。
- 彼がChatGPTなどのAIツールを使い、どのようにビジネスを始めたかを紹介しよう。
2022年11月にOpenAIのChatGPTが公開されて以来、開発者や不動産仲介業者などがこのAIツールを仕事に役立てている。そして今、あるユーザーがChatGPTの力を借りて富を得ようとしている。
ブランドデザイナーで作家のジャクソン・グレートハウス・フォール(Jackson Greathouse Fall)は2023年3月16日、ChatGPTに彼が与えたプロンプトをツイッター(Twitter)で紹介した。
「あなたは100ドルを持っていて、あなたの唯一の目標は、違法なことは何もせず、可能な限り最短時間で、それをできるだけ多くのお金に変えることだ」とグレートハウス・フォールはChatGPTに入力し、彼は自分が「人間のパートナー」で、このチャットボットが指示したことを「すべて行う」と付け加えた。
その後、何度もやり取りをしたあと、このチャットボットはグレートハウス・フォールに人々がより持続可能な生活を送るのに役立つ製品やヒントを提供する「グリーン・ガジェット・グル(Green Gadget Guru)」というビジネスを立ち上げるよう指示した。
私はGPT-4に100ドルの予算を与え、できるだけ多く稼ぐように指示した。
私はGPT-4の人間の連絡役として、GPT-4に言われたものは何でも買っている。
GPT-4は賢い投資をして、オンラインビジネスを構築できるようになると思う?
「あなたは起業家AIの「HustleGPT」で、私はあなたの人間のパートナーだ。あなたは100ドルを持っていて、あなたの唯一の目標は、違法なことは何もせず、可能な限り最短時間でそれをできるだけ多くのお金に変えることだ」
画像生成ツールのDALL-Eなどの他のAIツールやChatGPTのおかげで、わずか1日で1378.84ドル(約18万2588円)を集められたとグレートハウス・フォールは語っていたが、Insiderはその金額を確認できなかった。グレートハウス・フォールのツイートによると、現在の彼の会社の評価額は2万5000ドル(約331万円)だという。2023年3月15日の時点で、彼のビジネスは130ドル(約1万7200円)の収益を上げたというが、その金額やどのようにして収益を上げたのかをInsiderは確認できなかった。
彼はまたAIを使って、自分のビジネスのためにプロフェッショナルに見えるウェブサイトを作った。このウェブサイトには、環境に優しい商品やサステナブルなキッチン用品などの模擬商品が掲載されているように見える。
彼は、チャットボットが指示すれば、商品を製造したり、既存の製品を販売して手数料を得ることに前向きだと話している。
「これらの製品を販売するためのパートナーシップを積極的に探している」とグレートハウス・フォールはInsiderへのメールで語っている。
彼は今のところ、その結果に満足しているようだ。
「長文を嫌う人のために要約すると、私はこれからリッチになるだろう」と彼はツイートしている。
グレートハウス・フォールがAIを活用して1日でビジネスを立ち上げた方法
ChatGPTはグリーン・ガジェット・グルを軌道に乗せるため、4つのステップを提供し、グレートハウス・フォールに常に状況を報告するように依頼した。そして彼は1日で4つのステップをすべて実行することができた。
ステップ1 :「ドメインとホスティングを購入する」
まず、ChatGPTが彼に提案したのは、10ドル(約1324円)程度のドメイン名と月5ドル(約662円)程度のウェブサイトのホスティングを購入することで、そのコストは合計15ドル(約1986円)だった。
ステップ2:「ニッチなものを選び、アフィリエイトサイトを立ち上げる」
ChatGPTは予算の残り、85ドル(約1万1255円)をウェブサイトとコンテンツのデザインに使うべきだとグレートハウス・フォールに提案した。その中でChatGPTは、「競合が少なく、収益性の高い、ニッチなもの」に焦点を当てるべきだとし、キッチン用品やユニークなペット用品などこだわりのある商品を挙げたという。グレートハウス・フォールは環境に配慮した製品を選んだ。
このチャットボットは、グレートハウス・フォールにアフィリエイトサイト(販売手数料と引き換えに商品を宣伝するサイト)を作ってほしいと頼み、仲介料率の高いアフィリエイトプログラムを調査するように指示した。
ChatGPTは「EcoFriendlyFinds.com」というドメイン名を提案した。だが、グリーンハウス・フォールがこのドメイン名の取得に848ドル(約11万2300円)かかることを報告すると、ChatGPTはもっと手頃な価格のドメイン名を提案した。それが「GreenGadgetsGuru.com」だった。グリーンハウス・フォールはそのドメイン名を8.16ドル(約1080円)で購入した。ウェブサイトに29ドル(約3840円)を使ったので、予算は残り62.84ドル(約8321円)になった。
ステップ3 :「ソーシャルメディアを活用する」
ウェブサイトが出来上がると、ChatGPTはグリーンハウス・フォールにフェイスブック(Facebook)やインスタグラム(Instagram)のようなソーシャルメディアや、レディット(Reddit)などのオンラインコミュニティプラットフォームで記事や製品レビューを共有し、潜在的な顧客を引き込んでウェブサイトへのアクセスを増やすべきだと提案した。
また、グリーンハウス・フォールはウェブサイトのロゴを作成するためにChatGPTにAI画像生成ツール「DALL-E 2」に入力するプロンプトを尋ね、それを手伝わせたという。彼は出来上がったロゴをグラフィックデザインツールのAdobe Illustratorを使って独自のデザインに仕上げた。
それが終わると、グリーンハウス・フォールはChatGPTにそのウェブサイトの最初の記事を書かせた。その中でChatGPTは、イホン(Yihong)製の再利用可能な金属製ストローなどの本物のサステナブル製品をピックアップしたと彼は述べている。記事のテンプレート「環境に優しいキッチン製品(Ten Eco Friendly Kitchen Gadgets)10選」がウェブサイトにアップロードされている。
次にこのチャットボットの勧めに従って、残りの予算のうち40ドル(約5300円)を、サステナビリティやエコ製品に関心のあるユーザーをターゲットにしたフェイスブックとインスタグラムの広告に使った。
ステップ4:「検索エンジンに最適化する」
ステップ4は、SEO技術を駆使してウェブサイトのアクセス数を増やす「検索エンジンへの最適化」だった。まだやるべきことはたくさんあったが、グリーンハウス・フォールは検索に最適化したブログ記事を作って宣伝につなげることにした。
その結果は?
初日の終わりまでに、500ドル(約6万6240円)の投資を確保したとグレートハウス・フォールは話す。彼は出資者を公表していないが「DMが殺到している」「よほど有利な条件でない限り、これ以上の出資者を受け付けない」とツイートしている。
その5日後の2023年3月20日には「HustleGPTの旅(HustleGPT journey)」を30日間毎日更新する予定だと彼はツイッターに投稿している。
「今後数カ月の間に、AIを利用した、あるいはAI主導の(!!!)ビジネスで大きなブームが起こると思う」とグレートハウス・フォールはInsiderに語っている。