「ポストFed」の投資環境とは…金融政策は市場心理にとって重要ではなくなる

FRBは政策金利を4.75%から5%に引き上げた後、いったん休止する可能性がある。

連邦準備制度理事会は金利の引き上げを一旦止める可能性がある。

Spencer Platt/Getty Images

  • 連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めサイクルが終わりに近づくにつれて、市場は「ポストFed」の世界に入ろうとしている。
  • 調査会社のデータトレックによると、その世界では金融政策は市場心理にとってあまり重要でなくなるという。
  • データトレックは、この新たな投資環境について、以下に紹介する4つの潜在的な推進力があると見ている。

調査会社のデータトレック・リサーチ(DataTrek Research)によると、連邦準備制度理事会(FRB)の積極的な利上げによるインフレ対策は終わりに近付いており、投資家にとって新たな展望が開けているという。

「市場はFRBが2023年後半に利下げを行うと予想しており、連邦公開市場委員会(FOMC)ですら、現在の金利サイクルは終わりが近いと考えている」と、調査会社データトレック・リサーチの共同創業者、ニコラス・コラス(Nicholas Colas)は2023年3月24日のメモで言及している。

データトレックは、2022年末から2023年初めにかけてFRBが利上げペースを緩めたことで、S&P500のボラティリティが低下したと指摘している。FOMCの政策金利操作に関する確率を分析するCME FedWatchツールによると、世界的な銀行システムへの懸念の中、投資家らは2023年5月に利上げが一旦止まり、早ければ6月には金利の引き下げが行われる可能性があることに賭けているという。

金利の引き下げは株価を上値で支えることができる。しかし、プロスペクト理論(Prospect Theory)という行動経済学の概念から、「投資家が損失の恐怖を過大評価することを思い起こさせる」とコラスは述べている。

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