無印、リノベ団地の分譲に本格参入。「無料で2年住めます」1組限定モニター募集も

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MUJI HOUSEがリノベーションして分譲販売した部屋。横浜市港南区の「港南台めじろ団地」で2021年7月に撮影。

撮影:横山耕太郎

無印良品の家など、良品計画の住宅事業を展開する子会社・MUJI HOUSEは、築年数が経過した中古団地の一室をリノベーションした上で販売する分譲事業に本格参入する。

MOJI HOUSEでは2012年から「MUJI×UR」事業を開始。これまで関東エリアで賃貸物件1000室以上をリノベーションしてきた実績がある。

2021年からはリノベーションした団地の分譲販売も開始していたが、分譲事業を強化し2025年には年間100室の供給を目指す。

「価格、できる限り安く抑えたい」

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MUJI HOUSEがUR団地をリノベーションした部屋。横浜市の「港南台かもめ団地」で2023年2月に撮影。

撮影:横山耕太郎

「中古マンション、あるいは中古団地を見つけようとしてもなかなかハードルが高い。私たちのリノベーションの経験を生かし、これだったら自信を持って薦められる団地を購入し、そこをイノベーションしたものを販売していく

記者会見に参加したリノベーション事業部長・豊田輝人氏は分譲事業の拡大の理由について、そう説明した。

実際に、中古の分譲販売価格は高騰している。

東日本不動産流通機構によると、2022年の首都圏の中古マンションの成約物件価格は、前年比10.5%増の4276万円で10年連続で上昇している。

中古の分譲マンションが人気を集めているものの、MUJI HOUSEがこれまでにリノベーション後に分譲販売した物件は約20件だけだった。

分譲事業に本格参入するMUJI HOUSEがアピールするのが、優れた断熱性などの機能性と「低価格」だ。

MUJI HOUSEが2021年7月に発表した、横浜市港南区の「港南台めじろ団地」の築47年の物件は1990万円で販売された。

今後も築年数が古いURを含む団地をリノベーションする方針で、「販売価格は市場に左右されるができる限り低く抑えたい」としている。

安定供給「すぐ住みたいニーズ」に対応

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MUJI HOUSEは10年以上、団地の賃貸物件のリノベーションを手掛けてきた。

撮影:横山耕太郎

一方でMUJI HOUSEは、賃貸物件では一定の成果を上げてきた。

特に団地では建物の老朽化や、住民の高齢化が問題になっているが、URの賃貸物件を無印がリノベーションした「MUJI×UR」事業は、入居者がすぐに埋まる人気ぶりだ。

MUJI HOUSEによると「MUJI×URの1000室以上の物件のうち、現在入居募集しているのは十数室のみ」という。

「MUJI HOUSEでフルリノベーションした場合、工期は約6カ月かかる。最近の日本の消費者行動はタイパ(タイムパフォーマンス)と呼ばれるが、すぐに住みたいというニーズに答えていきたい」(MUJI HOUSEの豊田氏)

中古分譲マンション市場が過熱している現在、リノベーション前の中古マンションの獲得競争も激化している。MUJI HOUSEの分譲事業は、条件にあった中古物件を安定的に入手できるかどうかも重要になる。

また今回の分譲事業の拡大を受け、MUJI HOUSEでは、1組限定で「2年間、無料でリノベーション物件に住めるモニター」を募集するという。

無料で住める物件は、神奈川県の藤沢市周辺の団地。詳細や応募方法は、4月21日ウェブサイトで発表される。

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