ロウズは2022年8月から時給給の従業員に週4日勤務を導入している。
Brent Clark/AP Images for Lowe's
- アメリカの住宅リフォーム・生活家電チェーンのロウズは、従業員の勤務スケジュールに対する不満を受け、2022年8月に週4日勤務を実施した。
- 多くの従業員は選択制の週4日勤務を好んでいるが、一部では問題があると見られている。
- ロウズは2023年3月、従業員数が過去3年で最も多いと発表している。
アメリカの住宅リフォーム・生活家電チェーンのロウズ(Lowe's)で働くジェイデン・ウォーカー(Jaden Walker)は、2022年8月、同社が時給でフルタイムで働く従業員に週4日勤務を提供したことに大喜びしていた。
ウォーカーは、以前Insiderが話を聞いた多くのロウズの従業員と同様、働く日が「ランダム」で、事前にスケジュールを立てるのが難しいと話していた。彼は8日間連続で勤務したこともあったという。
だが2022年夏、ロウズの従業員から「カオス」なスケジュール管理システムへの苦情をが寄せられ、同社は従業員の勤務スケジュールにより柔軟に対応することを決め、1日8時間働く週5日勤務から10時間の週4日勤務を認めることにした。
「今のところとても気に入っている」とウォーカーはInsiderに語っている。
「1日が長く、暇な日は乗り切るのに少し苦労するが、週に1日休みが増えるので、その価値はある」
ウォーカーにとって一番うれしいのは、週ごとに安定した休みが取れるようになったことだという。彼によると、3日以上連続で仕事をすることはなく、「ワークライフバランスが取りやすくなった」という。
Insiderは、ロウズの現社員と元社員7人に、ロウズの週4日勤務の体験談を聞いた。ほとんどの人たちが、「ありがたい」と答えた一方で「スケジュールが複雑になるため週4日勤務は難しい」と話す人もいた。また少なくとも1人は週4勤務を試した後、それをやめている。これらの労働者の多くは、プライバシーへの配慮や報復の恐れから匿名を希望しているがインサイダーは彼らの身元を確認している。
「週4日の勤務はプライベートな時間を大切にする労働者により多くの時間を与える素晴らしい制度だ」と2023年2月に同社を退職したワシントン州に住む元ロウズ社員は話している。
「しかし、これを導入した企業のスケジュール管理は、紛れもなく無礼な悪夢であり、ほとんど完全に無駄になっている」
ロウズにコメントを求めたが回答は得られなかった。同社は週4日勤務を発表した際には、労働者に「より柔軟で一貫性のある勤務体系を提供し、優れた顧客サービスを提供し続ける」ことを目的としているとInsiderに述べている。
ロウズの従業員にとって週4日勤務とは?
ロウズのウェブサイトによると、同社のマーチャンダイジング・ストアチームで働く人、つまり店舗の設営や維持管理をサポートする人たちには平日のみ勤務するという選択肢がある。
そのため、週4日勤務が導入されると、そのチームでは3連休にするか、または平日の休みを1日増やすことを選択できるようになった。
「私はすでに土日が休みだったが、週4日の勤務になって、もう1日の休みは水曜日にしたいと言いました」と2022年9月に週4日勤務を開始したコロラド州のロウズで働くマーチャンダイジングの従業員はInsiderに語っている。
「私の妻は地元のモールの小売業で働いているので、上司に水曜日を休日にしてもいいかと相談したところ認めてくれたので、今は二人一緒に休日を過ごしている。これはすごいことだ」
だが、ワシントン州のロウズでハードウェア・ツール部門に勤務する従業員の場合、週4日勤務になってから毎週土日に出勤せざるを得なかった。彼は週5日勤務の時には土日に休みが取れることがあったという。彼は2022年10月に週4日勤務を試してみたものの、2023年2月に元の週5日勤務に戻したという。
「週末(の休み)をあきらめるのが嫌だった」と、彼はInsiderに語った。
「確かに毎週3日の休みはあったが、10時間という長いシフトを4日こなした後に、休みが1日増えても何の役にも立たないし、もう1日働くほうがいいと思った」
一方、週4日勤務にすることで、好きでもない会社で過ごす日を減らしたいという人もいる。
ある店舗の従業員は「私が唯一気に入っているのは、最大限の利益を確保するために、各部門に適切な人員を配置しない会社で過ごす日が1日減るということだ」とInsiderに語っている。
ロウズのエクゼクティブ・バイスプレジデントのジョー・マクファーランド(Joe McFarland)は、2023年3月の決算説明会で「この3年間で最高の人員配置」を実現したと述べている。