8000円で手に入れた「快眠」。知る人ぞ知る高級羽毛メーカー‎の枕に変えたら、QOLが上がった

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撮影:美里茉奈

私は昔からひどい肩こりかつ、一時期はライターとして年間50泊以上のホテル取材をしていたこともあり、これまでさまざまな素材の枕を試してきた

低反発、高反発、パイプ、綿、そばがら、天然ゴム……中でも最近気に入ってるのはダウン枕である。

ただ、「高級羽毛枕」と言われる類のものは2〜3万円以上のものも多く手を出しづらい……。

悩んでいたときに見つけたのが、山梨県の羽毛ふとんメーカー富士新幸が展開する、ふとん工房 グーグの「アップサイクル ダウン 50% ダウンピロー」 だ。

なぜ「ダウン」なのか?

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ふとん工房グーグの「アップサイクル ダウン50% ダウンピロー」税込7981円 。写真はLサイズ(50センチx70センチ)。

撮影:美里茉奈

鳥の羽を使った枕は、大まかに分けると2種類ある。ふわふわした「ダウン(羽毛)」を使ったダウンピローと芯のある「フェザー(羽根)」だ。

「羽毛枕」はダウンの含有量が50%以上。それ以下だと「羽根枕」となる。

羽毛の含有量が高いほど価格も上がる傾向にあるが、枕はフワフワしているだけでは潰れてしまう。ある程度はフェザーを混ぜたほうが、固さも出て支えられる。

この枕はふんわりと優しく包み込まれつつ、ほどよい支えもある感じが気に入っている。

羽毛枕で意外に重要なのは、側生地(中身を覆う布地)。通気性が良く、中身が漏れにくい素材かつ羽毛が飛び出してこない素材であることが重要だ。

このピローの側生地は、綿100%・超長綿60サテンを使用している。高級寝具でよく見る素材だ。おかげでこれまで蒸れを感じたり羽毛が余分に飛び出てくるストレスを感じたことはない

ダウンピローの難点は……

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晴れた日に風通しの良い日陰で干せば、フワフワが復活。

撮影:美里茉奈

短所は、吸湿性が高いぶんへたりやすいことだ。満足していた寝心地も、へたると物足りなくなってしまう。

そんな時は、中に空気を通して乾燥させることが第一。晴れた日には風通しの良いところで陰干ししている。

雨続きの日は、布団乾燥機やドライヤー(冷風・低い温風)を使う。とにかくマメに乾かすのがキモだ。正直面倒に感じるときもあるが、寝心地には替えられない。

また、枕本体を洗うことは推奨されていない。私は市販の洗い替え用のカバーを3枚用意し、だいたい2日に一度は洗濯している。

マメな洗濯は、カバーに付着した水分で枕がへたるのを防ぐ効果もあると思う。

見直したい「羽毛」という資源

この枕を製造する富士新幸は、富士屋ホテルをはじめとした高級ホテルの寝具を作っている企業だ。

創業は1914(大正3)年。100年を超える歴史があり、自社工場で羽毛ふとんや羽毛製品の一貫製造を行っている

環境への配慮についても、SDGsが盛んになる前から率先して取り組んでいた。その一環がアップサイクル枕だ。

近隣の自治体からいらなくなった羽毛ふとんを回収し、中身の羽毛を洗浄・乾燥させた「アップサイクルダウン製品」である。売上の一部は「緑の募金」へ寄付される。

製品タグ

充填物にもしっかり「アップサイクルダウン」の表記。「アップサイクル枕」とはいえ、フカフカ具合は高級ホテルに勝るとも劣らない。ニオイなども気にならない。

撮影:美里茉奈

最近では、羽毛の特性を反映させた「人工羽毛」という素材もある。しかし、すでに市場に出回っている羽毛を処分するとなると、その分燃料費がかかり、CO2も排出してしまう。

羽毛布団の寿命は長くても20年ほどといわれているが、中身の「羽毛」を素材としてみた場合は100年近く使える場合もあるそうだ。

それなら、このアップサイクル枕のように羽毛布団などから回収した素材を、新たな商品に再生する方がよりエコなのではないだろうか。

快適な睡眠とサステナビリティを実現してくれるこの枕で、「人生の3分の1」とも言われる睡眠時間を心地よく送れている。

ふとん工房グーグ

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