家の食器類を買い足したいと思っていたところ、リーズナブルな値段で雰囲気のある食器が店頭で目に留まった。
持つと意外と軽いこと、何よりも原材料の表示に「米」の文字があり驚いた。
シールは綺麗にはがすことができる。
撮影:森亮太
捨ててしまうお米から作られたお皿
左から tsugiライスボウル(税込660円)、tsugiプレート210(税込770円)、tsugiプレート240(税込880円)
撮影:森亮太
その食器が、アーバン・リサーチから発売されている「tsúgi(ツギ)」だ。
樹脂性なのだが、原料になっているのはバイオマスプラスチックの「ライスレジン®」。
本来であれば廃棄対象の古くなったお米や、米菓を作る過程でできてしまう破砕米などからプラスチックを生成している。
その他にも、 休耕田や耕作放棄地を活用して生産したお米なども活用しているそうだ。
主食のお米は、食器でも主役級
撮影:森亮太
マットな質感であるにもかかわらず、持ってみるととても軽い。樹脂製だが、触るとサラサラしている。
有機的な曲線を描くデザインになっており、その色とデザインは、柔和だがミニマルで洗練された印象を与える。
実際に使ってみると、軽量である利点は多くあった。
まず、食事中や食器洗い中にも腕への負担が少ないし、落としても割れる心配がない。
撮影:森亮太
皿の深さは、ちょうど深皿と平皿の中間ぐらいで、これがまた使いやすい。
カレーやシチューなど汁気のあるものから、パスタやトースト、サラダでも載せることができる。
活躍の機会が多く、最近はこればかり使ってしまう。
金属のフォークやスプーンが当たっても、陶器やガラスの食器のようにカチャカチャ音がしないので、静かな気持ちで食事に向き合えるのもありがたい。
なお、食洗機は使用可能だが、たわしや漂白剤は使えないので注意が必要だ。
食べるだけがフードロス対策ではない
撮影:森亮太
食糧難で苦しんでいる国や地域がある一方で、食品の過剰な廃棄、フードロスもまた世界中で問題になっている。
農林水産省によれば、日本では1年間に約612万トンもの食料が捨てられている。
これまでも、お皿の上の食べ物を無駄にしないよう意識はしていた。
だが、この製品を知るまではお皿そのものがフードロスを減らす取り組みに貢献できるとは、考えも及ばなかった。
しかもそのお皿が使いやすい上に、1000円以下に値段が抑えられているから驚きだ。
古くから日本の食を支えてきたお米は、食器だけでなく今後さらに活躍の場が増えそうだ。