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- ファイナンシャルプランナーは、不労所得を得たからといって、使い込んではいけないという。しっかりと投資や貯金に回すべきだ。
- また、不労所得を構築するには数年の時間がかかり、すべきことも多い。
- フルタイムの仕事の手っ取り早い代わりとして、不労所得を検討するのはやめたほうがいい。
ファイナンシャルプランナーは、不労所得を得たい人はいくつかの点に気をつけるべきだと指摘する。
Insiderは複数のファイナンシャルプランナーを取材し、不労所得についてクライアントたちが持つ疑問にどんなアドバイスをしているのかを尋ねてみた。
以下、4人のファイナンシャルプランナーが挙げた不労所得について知っておくべき点を紹介する。
1. 不労所得を使い込んではいけない
不労所得は、それが毎月数百ドル(数万円)だろうと数ドル(数百円)だろうと、投資に回すことでより強固になる。
貯金とは違って、市場に投じた資金は成長できる。「不労所得と複利の組み合わせは極めて強力だ」と説明するのは、ロード・マレー(Lorde Murray)でファイナンシャルプランナーとして活動するケネス・チャヴィス4世氏だ。
「不労所得を新しい何かに投資することも、現在行っている投資をさらに成長させるために再投資することもできる」
たとえわずかな額でも、不労所得を投資に回せば、のちに大きく育つ可能性がある。
2. 不労所得を構築するには時間がかかる
バレンティン・パートナーズ(Ballentine Partners)のファイナンシャルプランナー、アケイヴァ・エリス氏は「不労所得は決して一晩で築けるようなものではない」と語る。
ファセット・ウェルス(Facet Wealth)の共同創業者でファイナンシャルプランナーでもあるブレント・ワイス氏も同じ考えだ。「不労所得のある人を連れてきたら、10年先を見据え、能動的に計画し、貯金して、投資している人を紹介してあげると、いつも私は言っている」とワイス氏は言う。
「5年後か、10年後かはわからないが、いつか経済的な自由を享受したいと思うなら、将来のために貯金や投資をしなければならない」
不労所得が初日からピークに達することはない。ファイナンシャルプランナーによると、この点を誤解している人が多いそうだ。
3. 不労所得といっても働きかけは必要だ
多くの人が不労所得は何もせずに得られると考えるが、ファイナンシャルプランナーはこの考え方は間違っていると指摘する。
「私自身、『貯金して不動産を買えば、もう何の心配もない』といったことをクライアントから聞いたり、友人が話している場にいたりしたことが何度もある」。
そう語るのはベターメント(Betterment)のファイナンシャルプランナー、アンドリュー・ウェストリン氏だ。
「もし可能なら不動産を買えばいい。それでかなり有利な状況に立てるようになる。だが、最大の問題は、不労所得を得るには、積極的な働きかけが必要だという点だ」
ウェストリン氏は続ける。「貯金を始めるだけでも、多くの人にとってはかなりの困難となる。すでに貯金がある場合でも、貯金をさらに増やすのは大変なことだし、必要な資産をつくるには時間もエネルギーもかかる」
最も受動的な収入でさえ、ある程度の働きかけを必要とする。たとえば、不動産を貸し出して収入を得る場合でも、その不動産を自分で管理するか、管理を任せる誰かを雇わなければならない。だが、ある程度の時間と苦労をかければ、その後は収入をもたらしてくれるだろう。
4. 不労所得で問題のすべては解決しない
不労所得は時間と手間がかかるので、フルタイムジョブの手軽な代用にはならない。
ワイス氏はこう話す。
「クライアントとの会話で気づいたのだが、本当に求められているのは不労所得ではなく、有意義な仕事を見つけることのようだ。受動的な収入を得ることが絶対ではない。人々は自分で自分のことを決める自由を求めているのだ」
したがって、不労所得を渇望している人は、変化を求めているのだと考えられる。
「働く時間と場所と内容を選ぶ自由という意味で、私は人々が『選ぶ力』を求めているのだと思う。選ぶ力を得るための解決策として、不労所得が誤って候補に挙がったのだろう」
変化を実現するという目的のためには、経済的に自立する方法を見つけ、場合によっては転職するほうが、選択肢としては優れている場合も多いだろう。