「刺激の少なさが気に入った」スクリーンタイムを減らしたいZ世代が「ダムフォン」を復活させた

ガラケー

Mario Marco/Getty

  • ノキアの携帯電話を作っているメーカーは、2022年は毎月数万台の携帯電話を売ったと報告した。
  • インフルエンサーやZ世代の若者たちは、スマートフォンではなく、通話とメールしかできない「ダムフォン(dumb phone)」を持つようになっているとCNBCは報じている。
  • スクリーンタイムが減ったと、自身の経験をソーシャルメディアで共有する人も多い。

スクリーンタイムを減らすべく、 デジタルネイティブなZ世代の若者たちはスマートフォンを捨てて、通話とメールしかできないシンプルな「ダムフォン」を持つようになっている。

CNBCによると、こうした携帯電話はiPhoneが登場する前の2000年代初めにピークを迎えると徐々に廃れていったが、Z世代の若者たちがアメリカでの復活をけん引している

CNBCによると、ノキアの携帯電話を作っているHMD Globalは、世界中でその売り上げが減っているにもかかわらず、アメリカでは2022年にフリップ型やスライド型のフィーチャーフォン —— GPSや音楽の保存といった機能を追加できるものも —— が毎月数万台売れたと述べたという。

ダムフォンの需要が高まっている背景には、ソーシャルメディアと距離を置こうとする運動の広がりもある。2022年にニューヨークでスマートフォンを折りたたみ式の携帯電話に持ち替えた10代の若者たちが立ち上げた「ラッダイト・クラブ(Luddite Club)」もその1つだ。

「10代の仲間たちに1つメッセージを送るとすれば、自分と自分の周りの世界を知るために時間を使いましょうということです」とラッダイト・クラブの立ち上げメンバーで高校生のローラ・シューブ(Lola Shub)さんはInsiderに書いている

「あなたが持っている高価で小さな箱の中に存在するものより、その方がずっと充実しているし、ずっとリアルです」

その後、こうしたトレンドはインフルエンサーにまで広がり、彼らはダムフォンを使用し、自らのスクリーンタイムを減らす様子を伝えている。一方、LightやPunktといった企業はメールと通話以外の機能を制限した携帯電話を販売することで、このトレンドをチャンスに変えようとしている。

Lightの共同創業者ジョー・ホリアー(Joe Hollier)氏は、同社のミッションが近年、若者たちの間で共感を呼んでいるとCNBCに語った。

「わたしたちはダムフォンを作ろうとしているのではなく、もっと意識的で… 高品質かつミニマルな携帯電話を作ろうとしているんです。それは"反テクノロジー"ではありません。自分の生活の質を上げてくれるどういったテクノロジーをどのようにいつ使うか、意識的に選択するということなのです」

TikTokを利用しているアレックス・パーディ(Alex Purdy)さんは1月、Lightのダムフォンをひと月使ってみた結果を共有した。動画の中でパーディさんは、メールの受け取りにちょっとした問題があるとしつつも、動画を見た人にダムフォンへの切り替えをお薦めしている。

「刺激の少なさが気に入った。音楽とかいろいろな機能を追加することもできるけれど、自分は自分の考えに集中して、新しい創造的なアイディアが浮かんでくるのを待つことを楽しんでいる」

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