「370万円」の元手を3年で「1億円」に増やした37歳の株投資術。妊娠中の妻と米国移住、生活費が必要で…

エドゥアルド・ブリセーニョ

ベネズエラ出身のエドゥアルド・ブリセーニョ。株投資わずか3年で資産を28倍増させた。

Eduardo Briceno

エドゥアルド・ブリセーニョは、縦長の大型ディスプレイ4台を並べた自前のトレーディングデスクに座っている。

右手の壁には、オオカミの群れを周囲に従えた巨大な雄牛(強気相場の象徴)をあしらったイラストレーション。オオカミは高い知性を持ち、動きも素早く、どんな環境でも生き抜ける柔軟性の象徴なんだ、とブリセーニョは説明してくれた。

現在の彼にとってオオカミが意味するものは、どんな相場環境にあってもロングとショートの両ポジションを駆使してリターンを生み出せるスキルと言ったところだろうか。

ブリセーニョが置かれた境遇は7年前とは全く異なる。

株式市場や金融関係の仕事に就きたいと思って生きてきたが、手の届くチャンスには恵まれず、2010年にベネズエラの大学卒業時に取得した学位は電気工学専攻。収入の安定した仕事に就いてほしいと望む両親の影響もあっての選択だった。

ところが、彼が社会人になった頃、ベネズエラはすでに深い政治的・経済的混乱の最中にあり、当時のチャベス大統領は銀行や証券会社の国有化政策を推し進めていた。

夢はさらに遠ざかったと感じた彼は、電気通信エンジニアとして3年間働いた。

2016年になって、学生時代の夢を追いかけたくて我慢できなくなったブリセーニョは、MBAを取得するために大学に舞い戻った。同時に、研修機関が提供するトレーディングや投資のコースも受講した。

FXや先物、オプションなどさまざまな市場の存在を知り、トレーダーになりたいとの思いはさらに強まった。

より現実的なトレーダーへの道を求めてインターネットで情報を探し始めた時、バル・ミツバー(ユダヤ人共同体の男性が13歳で迎える成人儀式)の祝い金を元手にペニーストック(安価な投機銘柄)投資で100万ドル超の利益を稼ぎ出したとされる伝説のトレーダー、ティモシー・サイクスに出会った。

ブリセーニョは2016年3月にはサイクスの提供するトレーディング学習プログラムに参加し、同時にノートパソコン一つで市場でのリアル取引に少額ながら手を出し始めた。

あわせて読みたい

Popular