この春は、鮮やかなカラーが流行し、殺風景な壁は好まれない。
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- インテリアデザイナーが、この春のリビングのトレンドについて教えてくれた。
- スカラップ型の縁取り、鮮やかなカラー、曲線的な家具の人気が上昇している。
- セットの家具やファームハウス風インテリアはもう古い。
石材はナチュラルな雰囲気を感じさせる素材として人気
石材はリビングにひと味違った質感を加える。
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インテリアデザインスタジオArsitの創設者で、インテリアデザイナーのアルテム・クロポビンスキー(Artem Kropovinsky)は、今シーズンは石材がトレンドになるとInsiderに語っている。
「石材は、どんな空間にも質感や深み、優美さを与えてくれる天然素材だ。暖炉の周囲、壁のアクセント、コーヒーテーブルの天板として使用できる」
石材は時代を超えて、リビングをアート空間に変えることができる。
スカラップ型の縁取りでくつろいだ雰囲気に
スカラップ型の縁取りは、くつろいだ居心地の良い雰囲気を作り出す。
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スカラップ型とは、ファブリックの縁を曲線的なパターンにしたもので、空間にやわらかさ、動き、魅力的な雰囲気を加える。
クロポビンスキーは、ソファ、チェア、ラグ、ピローなどにスカラップを取り入れるといいと言う。
質感のあるファブリックが、大きな注目を集めている
ブークレー素材のファブリック。
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インテリアデザイナーのモリー・マクギネス(Molly McGinness)によると、今シーズンはさまざまな質感のファブリックが流行っているという。
「今もあらゆるところでブークレーを見かけるので、廃れるとは思わないが、この春はブークレー以外にも粗い織り目のブランケットやピローもよく取り入れられている」
質感のあるファブリックは、アウトドアのナチュラルでオーガニックな雰囲気をリビングに取り込むのに最適な方法だ。
鮮やかな色が「今」を感じさせる
「バービーコア」や鮮やかな色の人気が高まっている。
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最近は落ち着いたニュートラルな色調がトレンドになっていたが、インテリアデザイナーのベス・ダイアナ・スミス(Beth Diana Smith)によると、今は鮮やかな色の人気が高まっているという。
「赤やピンクは『コテージコア(ヨーロッパの田舎暮らしをロマンチックに解釈したスタイル)』などのスタイルでますます人気を集めている。『バービコア(バービー人形のようにピンクで統一したスタイル)』のフェミニンな雰囲気からの影響が大きい」
グリーン、ブラウン、イエロー、オレンジといった定番の色調に加えて、ピンク系のアースカラーや赤を取り入れる人も増えているとスミスは述べた。
曲線的な家具の人気が復活
曲線的なラインの家具が、印象的な雰囲気を加えている。
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Brooke Lang Designのプリンシパル・インテリア・デザイナーであるブルック・ラング(Brooke Lang)は、今シーズンはアーチ型のラインを取り入れたソファやチェアなどの家具がリビングに登場すると述べている。
「鏡、ランプ、チェア、ソファなどのアーチ型の要素に現れる曲線の美学は、リビング全体のデザインを和らげる」
大きめの家具が好みのスタイルに合わない場合は、テーブルランプやサイドテーブルなどの小物を、曲線的なデザインをさりげなく取り入れたものにするといいとラングは勧めている。
「ボード&バテン」のスタイルが人気上昇中
壁は「シップラップ」に代わって「ボード&バテン」が人気
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壁の仕上げに関しては、船室をイメージした「シップラップ」が消えつつあり、それに代わって壁板に細い木材を組み合わせた「ボード&バテン」の人気が高まっていると、BHDMデザインのプリンシパル兼クリエイティブディレクターであるダン・マッツァリーニ(Dan Mazzarini)は述べている。
「ボード&バテンはモダンでありながら素朴でシックな雰囲気がある。施工は少し大変だが、時代に左右されず、建築的な起伏が感じられ、自然光でドラマチックな陰影が生まれる」
殺風景な壁はもう流行らない
せっかく素敵な空間でも、殺風景な壁では退屈に見えてしまう。
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ミニマルデザインの流れで壁を無地にしている人もいるが、クロポビンスキーによるとこのトレンドは廃れてきているという。
「リビングに無地の壁があると、インスピレーションが感じられなくなる。未完成で味気ない空間に見えてしまう」
壁に色や柄、アートを加えることで、より生き生きとした表情にすることができる。
家具をセットでそろえることはもうやめよう
セットの家具は、創造性が欠けているように見える。
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同じ色、スタイル、質感の家具で、丁寧にコーディネートする時代は終わったようだ。
「セットのソファ、チェア、テーブルは、今やあまりにもありきたりで意外性がない。カタログやショールームの中のリビングのようになってしまう」とクロポビンスキーは言う。
セットの家具にはないコントラストと面白さを生み出すために、異なるスタイル、カラー、素材をミックスすることを勧めている。
ファームハウス風インテリアは、飽きられてきた
鶏をモチーフとした雑貨やファームハウス風インテリアは、かつてほどの人気はない。
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ファームハウス風インテリアは素朴な魅力があるが、それがトレンドだった時代はこの春にはもう終わるとラングは言う。
「リビングのインテリアをすっかり入れ替えることは、予算的に難しいかもしれないが、壁からテキストベースのアクセサリーを取り外して、ビンテージの油絵などに換えるだけでも、モダンなファームハウスの美学が高められるだろう」
大型家具は時代遅れ
大型のソファはもう流行らない。
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大型でずっしりとした家具は、もっと新しくて場所を取らないスタイルに置き換えられるだろうとラングは考えている。
「チェスターフィールドソファのような大型のソファは、不格好で重く、時代遅れで、場所を取りすぎるため、リビングのデザインを邪魔することがある」
ラングは、曲線を生かしたソファのように、リビングに流れをもたらすものを選ぶことを勧めている。