ESA/Webb, NASA & CSA, J. Rigby
- NASAのジェームズ・ウェッブ望遠鏡によって、宇宙空間にある銀河の新しい写真が4月4日に公開された。
- 銀河は、重力レンズ効果として知られる現象で空間と時間を歪めている。
- この効果は、遠くの銀河を拡大するのにも役立つ。
NASAのジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が撮影した宇宙空間の新しい写真は、重力レンズと呼ばれる現象を捉えている。
重力レンズとは時空を歪める効果のことだ。欧州宇宙機関(ESA)の説明によると、重力が大きい天体が「時空に湾曲を引き起こし、その周りの光の経路がレンズで見るように曲げられる」ことで発生する。
基本的には、遠くから見ている場合には、その天体の背後にある銀河や星が歪んで見えることになる。
宇宙のワープ...?✨
このJWSTの画像の奇妙な弧や筋が見えるだろうか。これらは実際には遠く離れた銀河であり、重力レンズと呼ばれる効果によって拡大され、歪んでいるのだ。
重力レンズには拡大効果もあるため、通常では見つけるのが難しい、遠くの銀河を研究する科学者にとっては有用だ。ESAによると、この最新の写真に写っている銀河団「SDSS J1226+2149」は、かみのけ座の方向、約63億光年離れたところにある。
この効果により、JWSTの近赤外線カメラNIRCamは、「 Cosmic Seahors(宇宙のタツノオトシゴ)」と呼ばれる銀河をより鮮明に、より明るく撮影することができた(写真の右下の「長く明るい歪んだ弧」として表示されている)。
宇宙の果ての、鮮明で驚愕するような写真を撮り続けている革命的な宇宙望遠鏡は、2022年、銀河団「SMACS 0723」の写真で重力レンズを捉えた。この「ディープフィールド」画像は、NASAが7月11日に公開した、JWSTによる最初のフルカラー画像で、130億年以上前の銀河をとらえている。
2022年7月11日に公開されたジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の最初の深遠赤外線画像。
NASA, ESA, CSA, and STScI
10月に公開された写真には、56億光年先の銀河団「MACS J0647+7015」が写っていた。初期宇宙の天体「MACS0647-JD」はこの銀河団の巨大な重力によって曲げられ、拡大されている。