セールスフォースのマーク・ベニオフCEOは、さらなる経営の効率化に着手した。
Robert Galbraith/Reuters
セールスフォース(Salesforce)は4月3日から、アクティビスト投資家からのさらなる効率化圧力への対応として、いくつかの管理職層を廃止して大がかりな組織のフラット化を進めている。
この件に詳しい2人の関係者によると、3日に始まったこの動きにより、一部の管理職はIC(individual contributor:部下を持たない一般社員)へと切り替わることになる。
その目的の一つは、管理職に一定数の直属の部下を与えることで、セールスフォース全体の「統制範囲」と「管理層」を縮小することだ。これは、CEO以下の管理職のレイヤー数を減らすためだと、匿名を条件に取材に応じた関係者の1人は説明する。
セールスフォースは3日の発表以前はInsiderのコメント要請に応じなかったものの、この報道後、同社の広報担当者からは次のような回答があった。
「一部のグループでは軽微かつ小規模な調整が行われた可能性がありますが、これは全社的な取り組みではありません。(セールスフォースは)組織的に管理職をICに切り替えることはしておりません」
ここ数カ月、エリオット・マネジメント(Elliott Management)をはじめアクティビスト投資家がセールスフォースと頻繁に接触している。Insiderが確認した同社の事業計画書の草案では、人員増加に上限を設け、一般管理費、営業・マーケティング費を削減し、不動産を削減することで、非GAAPベースの営業利益率を30%以上に伸ばしたいとしている。
セールスフォースは今年1月4日、コスト削減を目的とした広範なリストラ計画の一環として、従業員の10%をレイオフする計画を発表した。同社はそれ以前にも人員削減を実施していた。
この動きは功を奏するかもしれない。エリオット・マネジメントは3月27日、セールスフォースとの共同声明を引用し、「『New Days』という複数年の収益成長フレームワーク、2023年度の好調な業績、2024年度の組織変革、取締役会・経営陣のアクション、価値創造への明確な注力」によって同社が進展を見せたことを理由に、既存の取締役会に対して異議を申し立てるために、独自に取締役を推薦することはしないと発表した。
ジ・インフォメーション(The Information)は先に、マーク・ベニオフ(Marc Benioff)CEOら経営陣の間で、管理職のレイヤー統合と管理職ごとに割り当てる部下の数を増やすことを目的とした組織再編の議論が行われており、一部の役職が廃止される可能性があると報じていた。