- この記事は、インサイダー・インテリジェンスによる調査レポート「ChatGPTと生成AI(ChatGPT and Generative AI)」のプレビュー版です。レポートの完全版の申し込みはこちらから。
ChatGPTの登場で、生成AIに対する注目が一気に高まり、各所で熱い議論が繰り広げられている。
私たちはこの流れをどう受け止めるべきなのか? 本レポートではこの革新的な技術について押さえておきたいポイントを解説している。
「生成AIの仕組みとは?」「主なプレイヤーは?」「本格的な利用に向けChatGPTの準備は整っているのか?」、さらに最も重要な点として「生成AIは、ビジネスのあり方をどのように変えていくのか?」という疑問を紐解いていく。
KEY QUESTION:
- 生成AIとは何か?
- リリース直後から爆発的な人気を博しているChatGPTはメディアやマーケティングの未来にどのような影響を与えるのか?
KEY STAT:
OpenAIのChatGPTは、瞬く間にユーザー数100万人を達成。過去5年間に大ブレークしたいくつものアプリを凌ぐペースで普及した。
人気アプリが世界で100万ダウンロードを達成するまでにかかった日数(App StoreとGoogle Play、2021〜2022年)。
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1. 生成AIとは?
生成AIとは、簡単なプロンプトと文脈をもとにコンテンツを作成する人工知能を指す。
・生成AIは、エッセイから3Dのオブジェまで、あらゆるものを作り出すことができる。
テキスト、コンピュータ・プログラム、画像、ビデオ、音楽、スピーチ、ゲームの背景、さらにはタンパク質のアミノ酸配列の折り畳み方まで……多種多様なコンテンツを生成するさまざまな生成AIが存在する。ユーザーはコンテンツを生成するためにプロンプト(いくつかの単語や短いフレーズで構成された命令)を入力する。
・最新のモデルの中には、複数のデータ形式を組み合わせたものもある。
これらは「マルチモーダル」モデルと呼ばれ、画像、テキスト、音楽など、複数の種類のデータを扱える。
コンテンツの意味を理解して異なるデータ形式に変換したり、それぞれ異なるデータ形式のコンテンツを組み合わせて、動画など別種のコンテンツを作ったりすることも可能となる。
未完の曲を完成させるような「シングルモーダル」モデルも、これまで以上に洗練されてきている。
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生成AIには以下のようなユースケースがある。
【画像の生成】
OpenAIが開発した画像生成AI「DALL-E 2(ダリー・ツー)」は入力されたテキストに従い画像を生成する。
【動画の生成】
メタの「Make-a-Video(メイク・ア・ビデオ)」とグーグルの「Imagen(イマジェン)」は、テキストから動画を生成する。
【マーケティング用の文章やコピーの生成】
「Jasper(ジャスパー)」は、さまざまな分野のマーケティング用文章やコピーを生成する。
【アバターの生成】
生成AIを組み込んだ写真編集アプリ「LensaAI(レンサAI)」の「魔法のアバター」機能は、自撮り写真をもとにアバターを作ってくれる。
2. 生成AIの市場規模
米調査会社のピッチブック(PitchBook)と全米ベンチャーキャピタル協会(NVCA)によると、米国における2022年のベンチャーキャピタル(VC)投資総額2383億ドル(約31.6兆円)のうち、生成AI分野への投資が占める割合は1%未満だった。
だが既に約450社もの生成AI関連のスタートアップが存在することや、この分野に投資する新興ファンドが複数立ち上げられている事実は、市場の熱気と成長への高い期待感を示している。
・厳しい環境下にも関わらず、2022年の生成AIへの投資は好調だった。
ピッチブックとNVCAによると、2022年にはVC投資が全体で30.9%減少したのに対し、生成AI関連の投資は20%以上増加した。
・OpenAI は、2023年も生成AI分野の成長を牽引する見込み。
2019年に大規模な出資をしてOpenAIと提携関係を結んだマイクロソフトが100億ドルの追加投資を行うと報道されており、OpenAIの企業価値は290億ドルに達した。
・先行スタートアップに大きな資金が流入している。
OpenAIのモデルを使ってマーケティング・コンテンツやコピーなどを自動生成するジャスパー(Jasper)と、テキストから画像を生成するステーブル・ディフュージョン(Stable Diffusion)の開発元スタビリティAI(Stability AI)の2社は、2022年10月に数日の間隔でユニコーン企業となっている。
生成AI分野における米国ベンチャーキャピタルの投資動向(2017~2022年)。棒グラフ:投資金額 (単位:10億ドル)、赤線:投資件数。
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3. ChatGPTとは
ChatGPTは、OpenAIが開発した対話型AIモデル(GPTはGenerative Pretrained Transformerの略)。2022年11月30日にテスト版が公開されると5日間でユーザー数が100万人を突破し、一般の人々の間でも大きな関心を呼んだ。
・テキストからテキストを生成する。
ユーザーが入力欄に質問や要望をタイプすると、AIが自然で論理的な文章で答えてくれる。
・ソフトウェアのコードも書ける。
テキストで入力された指示に従って、AIがコードを書いたり修正したりしてくれる。
レポート完全版では、以下の内容を紹介する。
<目次>
- 1. 表紙
- 2 .生成AIとChatGPT
- 3-1. 生成AIとは
- 3-2. 生成AIの市場規模
- 3-3. ChatGPTとは
- 4-4. ChatGPTの限界
- 4-5. 生成AIの仕組み
- 5-6. 生成AIのキープレイヤー
- 5. 先駆者OpenAI
- 6. OpenAIがサポートする多様なアプリケーションが形成するエコシステム
- 6-7. 生成AIは2023年にクリエイティブ系ビジネスをどう変えるのか?
- 7-8. 生成AIが2023年にビジネスに与える最大のインパクトとは
- 7. マイクロソフトVSグーグル。生成AI分野の覇権をめぐり、さらに広範囲な対決が予想される
- 8-9. 生成AIの今後を展望
- 8. メディア企業やマーケティング企業が押さえるべきキーポイント
- 9. 関連記事紹介
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