写真左がGalaxy S23 Ultra、右3つがGalaxy S23。
撮影:小林優多郎
サムスン電子は4月6日、新型スマートフォン「Galaxy S23」などの日本向け展開を発表した。
メインとなるのはフラグシップシリーズの「Galaxy S23」と「Galaxy S23 Ultra」の2機種。発売日は4月20日予定。現状のところ、オープンマーケット版の用意はない。
取り扱いキャリアとストレージ容量は以下の通り。※はオンライン販売のみ。海洋再生プラスチック(OBP)の利用など、Galaxyシリーズにおける環境への取り組みについても公表した。
- Galaxy S23……NTTドコモ、KDDI、楽天モバイル(いずれも256GB)
- Galaxy S23 Ultra……NTTドコモ(256GB、512GB※)、KDDI(256GB、512GB※、1TB※)
- Galaxy A54 5G……NTTドコモ、KDDI(いずれも128GB、5月下旬発売予定)
カメラが大きく進化、サステナ重視も強調
Galaxy S23は約6.1インチ有機ELディスプレイを搭載し、小柄な見た目。
撮影:小林優多郎
Galaxy S23シリーズは、2023年2月にグローバルで発表。Galaxy S23/S23+/S23 Ultraの3機種があるが、日本では+を除いた2機種が展開される。
前機種S22シリーズからの進化点は、基本スペックの向上のほかには、主にカメラ、ゲーム、サステナビリティの観点の3つになる。
カメラについては、両機種共に超広角カメラ(12メガピクセル)、広角カメラ(S23は50MP、Ultraは200MP)、望遠カメラ(10MP)を搭載。
Galaxy S23 Ultraは6.8インチの大型機。背面のカメラユニットの数はS23より多い。
撮影:小林優多郎
Galaxy S23 Ultraはデジタルペン「S Pen」を内蔵する。
撮影:小林優多郎
S23 Ultraはこれに加え、光学10倍ズーム用の望遠カメラ(10MP)とレーザーAF用のセンサーを備える。
Ultraは特にS23 Ultraは最大100倍となる超解像ズームと、広角カメラを用いた2億画素撮影を売りにしている。
「Snapdragon 8 Gen 2 for Galaxy」について説明するクアルコムジャパン社長の須永順子氏。
撮影:小林優多郎
ゲーム性能については、クアルコム製チップセット「Snapdragon 8 Gen 2 for Galaxy」を搭載。刷新された冷却性能や大容量バッテリー(S23は3900mAh、S23 Ultraは5000mAh)も搭載している。
サステナビリティーへの取り組みについては、従来から引き続き内部部品への海洋再生プラスチック(OBP)の利用や、SIMトレーや音量キーなどでのリサイクルアルミニウム、前面・背面での再生ガラスを採用する。
Galaxy S23シリーズは、正面と背面のガラスに再生素材を含む。
撮影:小林優多郎
Galaxy S23シリーズでは特に、内部部品への廃棄漁網の活用をアピールしており、サムスンは「2023年末までに世界の海に眠る15万トン以上の廃棄漁網を削減」するとしている。
停滞するハイエンドスマホ市場
写真左から4月6日の発表会に登壇したサムスン電子ジャパン プロダクト担当の前島大樹氏、国分夏希氏、チーフ・マーケティング・オフィサーの小林謙一氏。
撮影:小林優多郎
昨今、スマートフォンの一般化と高価格化によりハイエンドスマートフォンは「売れ筋商品」とは言えない状況が続いている。
Galaxy S23シリーズも進化点は多く存在するものの、生活を変えるような大きな進化はない。加えて価格はS23が6万9300円、S23 Ultra 256GB版が9万9990円(いずれも税込、NTTドコモの直販価格)となっている。
Galaxy S23の背面。左からKDDI、NTTドコモ、楽天モバイル版で、キャリアロゴの有無や刻印内容が異なる。
撮影:小林優多郎
4月6日の発表会で、サムスン電子ジャパン CMOの小林謙一氏も「日本では(全体として)伸び悩んでいる」としている。
ただし、小林氏はその中でも前モデルであるGalaxy S22シリーズは「日本では一昨年(S21シリーズ)を超える好成績を残している」「S23シリーズは各国でS22より予約数が多い」などと、新機種に対する期待を寄せた。
新機種発売に合わせた施策として、S23シリーズを予約し、応募すると完全ワイヤレスイヤホン「Galaxy Buds2」がもらえるキャンペーンや、各取り扱いキャリアが条件に応じてポイントなどを還元する施策も実施する。