「1分でわかる」絶好調のセブンイレブン本決算。小売り初の“売上10兆円突破”の現状

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撮影:今村拓馬

セブン&アイ・ホールディングスが2023年2月期(2022年3月1日〜2023年2月28日)の通期決算を発表した。

連結営業収益(売上高)は前期比35%増の11兆8113億円で、日本の小売り業で初めて10兆円を超えた

セブン&アイHDは2021年にFrancfrancの一部株式売却、2022年にオシュマンズ・ジャパン の全株式売却を完了し、2022年にはそごう・西武の売却を公表するなど、事業ポートフォリオの見直しを進めている。さらに通期決算当日には、金融事業の再編、バーニーズジャパンの売却も公表した

決算説明資料から、通期決算のポイントをさらってみよう。

売上高にあたる営業収益が10兆円を突破

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あわせて、営業利益は連結で5065億円(前年比130.7%)になった。

出典:セブン&アイホールディングス2023年2月期決算説明資料

一転、「2023年度は厳しい経営環境になる」と想定

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一方で、2023年度の通期業績予想の売上高(営業収益)は前年割れを想定。

出典:セブン&アイホールディングス2023年2月期決算説明資料

最高財務責任者(CFO)の丸山好道氏は「エネルギーコストや人件費の増加に加え、実質可処分所得の減少による将来不安からくる消費マインドの低下を懸念」しているとした。

そごう・西武などを売却し、事業の選択と集中を実施

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事業再編のなかで、アパレル事業の撤退・売却を進めている。

出典:セブン&アイホールディングス2023年2月期決算説明資料

セレクトショップ「バーニーズニューヨーク」を運営するバーニーズジャパンをラオックスホールディングスに売却すると発表。また、売却を2度延期しているそごう・西武の売却時期に関しての質問には、具体的な明言を避けた。

セブン・カードサービスをセブン銀行傘下に

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銀行、クレカ、電子マネーといったフィンテック領域の事業をセブン銀行傘下に集約する。

出典:セブン&アイホールディングス2023年2月期決算説明資料

井阪隆一社長は、「金融の領域においては、数多くのフィンテック企業が登場し、サービスの多様化が進んできており、これに伴いお客様のニーズも多様化」しているとしたうえで、「お客様の多様なニーズに対し、迅速に対応していくためには、当社グループの金融事業についてセブン銀行に集約し、よりスピード感を持って、小売りならではの金融サービスを展開していくことは望ましいと判断いたしました」と組織再編の意図を説明した。

これによりセブンカードサービスで担ってきたクレジットカード事業及び電子マネー事業は「セブン銀行傘下に集約される」とする。

7NOWデリバリーを拡大する

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3月3日には、セブンイレブンのコンビニ宅配「7NOW」を2023年に1万2000店舗まで急拡大することを発表している。

出典:セブン&アイホールディングス2023年2月期決算説明資料

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