新宿の新ランドマーク「東急歌舞伎町タワー」が14日開業。ポイントは「振り切った施設」。エヴァとコラボも

東急歌舞伎町タワー。

4月14日に開業する、東急歌舞伎町タワー。

撮影:土屋咲花

新宿・歌舞伎町に14日、新たなスポット「東急歌舞伎町タワー」が開業する。2014年に閉館した映画館「新宿TOKYU MILANO(新宿ミラノ座)」の跡地に建てられた高さ約225メートルの高層ビルで、ホテルやエンターテインメント施設が入る。

3月に営業終了した新宿駅の西口〜南口を結ぶオープンモール「モザイク通り」の跡地には超高層ビルの建設が予定されるなど、新宿エリアでは再開発が進む。同施設も再開発計画に基づいて建設され、新たな都市観光拠点となることを目指す。

運営を担う東急と東急レクリエーションが6日、内覧会を開催した。

東急歌舞伎町タワーは地上48階、地下5階建て。「好きを極める」をコンセプトに、低層階にはエンターテインメント施設、高層階にはホテルが入る。

木村さん

東急の木村知郎執行役員。

撮影:土屋咲花

高層ビルの多くは低層階に物販、高層階にオフィスビルが入居していることが多いが、東急歌舞伎町タワーはエンタメとホテルに振り切っていることが特徴だ。

東急で新宿プロジェクト企画開発室長を務める、木村知郎執行役員は

「歌舞伎町という立地からしても、エンタメに振り切った施設を作るニーズの方が高いと判断しました。チャレンジングな部分もありますが、コロナ禍で世の中も大きく変わっています。働き方の変化により、オフィス事業も内容を考えなければならなくなりました。物販についてはEC化が一気に進んでいます。この町にわざわざお越しいただくモチベーションを考えると、ホテル、あるいはエンターテイメントによって観光の拠点を作り出すということが、一つの開発のテーマになると考えました」

と話す。

特徴的な施設を見ていこう。

都心にZeppがお目見え

地下1~4階には、ライブホール「Zepp Shinjuku (TOKYO)」を配置した。スタンディングで約1500人を収容できるライブホールは他のZeppと比較するとコンパクトなものの、立地の良さやアーティストとの距離の近さが売りだ。こけら落とし公演は4月17日。映画『東京リベンジャーズ』の主題歌を歌うロックバンドSUPER BEAVERが務める。

Zepp Shinjuku (TOKYO)。

Zepp Shinjuku (TOKYO)。

撮影:土屋咲花

「祭り」がテーマのフードホール

1〜2階は日本らしさや歌舞伎町の繁華街を彷彿とさせる飲食店が集う。2階は「渋谷横丁」「恵比寿横丁」を手がけた浜倉的商店製作所が「新宿カブキhall 〜歌舞伎横丁」を運営する。10店舗からなり、寿司やギョーザ、全国各地の地域料理やB級グルメなどを楽しむことができる。

「祭り」をテーマとしたフードホール「新宿カブキhall 歌舞伎横丁」。

「祭り」をテーマとしたフードホール「新宿カブキhall 歌舞伎横丁」。

撮影:土屋咲花

前身の「ミラノ座」継承した劇場

6~8階には新宿ミラノ座の名前を継承した劇場「シアターミラノ座」がオープンする。総客席数は約900席で、演劇や音楽など幅広いコンテンツを繰り広げる。こけら落とし公演は5月6日、『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』だ。2020年にアカデミー賞作品賞などを受賞した韓国映画『パラサイト 半地下の家族』 の舞台も控えている。

「シアターミラノ座」。

「シアターミラノ座」。

撮影:土屋咲花

全席プレミアムシートの映画館

9~10階の映画館「109シネマズプレミアム新宿」は全席がプレミアムシート。最大で通常の約2.3倍にもなる座席でリラックスしながら映画を楽しむことができる。シアターの一つには、左右の壁面にも映像が投影される3面ワイドビューシアター「ScreenX」を導入した。眼前に270度の映像が広がり、没入感を味わえる。新作映画だけでなく、人気アーティストのライブ映像なども上映予定だ。

音響は4月2日に訃報が伝えられた坂本龍一さんが手掛けている。

全席プレミアムシートの「109シネマズプレミアム新宿」。

全席プレミアムシートの「109シネマズプレミアム新宿」。

撮影:土屋咲花

3面ワイドビューシアター「ScreenX」。

3面ワイドビューシアター「ScreenX」。

撮影:土屋咲花

高層階には2種類のホテル

高層階には2つのホテルが入る。営業開始は5月を予定する。20~38階は「ホテルグルーヴ新宿」。各エンターテインメント施設で得た感動や喜びの余韻に浸ることができる客室を掲げている。

「ホテルグルーヴ新宿」の客室。

「ホテルグルーヴ新宿」の客室。

撮影:土屋咲花

39~47階はラグジュアリーホテル「ベルスタートウキョウ」が入る。広々とした客室からは新宿の街が一望できる。45階のフレンチレストラン「レストラン ベルスター」は宿泊客でなくても利用が可能だ。

ラグジュアリーホテル「ベルスター東京」の客室。

ラグジュアリーホテル「ベルスター東京」の客室。

撮影:土屋咲花

宿泊客でなくても利用できる「レストラン ベルスター」。

宿泊客でなくても利用できる「レストラン ベルスター」。

撮影:土屋咲花

「好きを極める」第一弾はエヴァコラボ

東急歌舞伎町タワーではその特徴を生かし、施設全体が連動する形でエンターテインメントを演出していくという。最初の取り組みが、エヴァンゲリオンとのコラボレーションだ。

「シアターミラノ座」のこけら落としで、初の舞台化作『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』を公開するにあたって、「ホテルグルーヴ新宿」では、エヴァンゲリオンに登場するパイロットをイメージした客室を期間限定で用意する。

期間限定オープンするエヴァンゲリオンをイメージした客室。

期間限定オープンするエヴァンゲリオンをイメージした客室。

撮影:土屋咲花

宿泊者はオリジナルグッズがもらえるという。

宿泊者はオリジナルグッズがもらえるという。

撮影:土屋咲花

インバウンド意識の空港行きバス

インバウンドにも力を入れる。施設1階のバスターミナルからは、成田、羽田の両空港への路線を結び、歌舞伎町の玄関口としての役割を果たす。

1階のバスターミナルからは、成田、羽田空港行のバスが発着する。

1階のバスターミナルからは、成田、羽田空港行のバスが発着する。

撮影:土屋咲花

木村役員は

「コロナ前のようにインバウンドのお客様がいらっしゃっている。既に歌舞伎町をお楽しみいただいてる方も多いが、新宿御苑やゴールデン街、さらにこの施設も楽しんでいただいて、(上階のホテルに)宿泊いただきたい」

としている。

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