価格4990円のシャオミ製スマートバンド「Redmi Smart Band 2」の実力に迫る

シャオミ Redmi Smart Band 2

「Redmi Smart Band 2」とMi Fitnessアプリ。

撮影:小林優多郎

新生活シーズン、身の回りの環境が大きく変わった人も多いだろう。

そうなると気になるのが、日々のストレスや睡眠状況だ。慣れない環境などで、悪化していたとしても一定のデータがあれば、改善への気づきになる。

この分野で低価格で注目されるのが中国・シャオミが2月に発売した「Redmi Smart Band 2」だ。最大の特徴は直販価格4990円(税込)という価格の安さだ。

発売前後の数カ月、実際につけてみた結果をレポートする。

レスポンスや付け心地は「想像以上」

Redmi Smart Band 2 装着例

画面は大きく存在感があるが、装着感は悪くない。

撮影:小林優多郎

シャオミのウェアラブル機器は複数種類あるが、その中でも「Redmiシリーズ」は、比較的安価で入門機的な立ち位置の製品に名付けられている。

そのため、筆者も装着前から「まあ安い端末だよね」と少々うがった印象を抱いていたが、感想としては想像以上に「使える」端末だった。

まず、最も目に入る1.47インチ液晶のディスプレイだが、反応速度がかなりいい。低価格なIoT製品だと画面の反応がやや遅れることがあるのだが、Redmi Smart Band 2はレスポンスよく動く。

また、肌に触れるストラップはやわらかくしっとりとしたTPU素材で、水や汗でぬれても拭き取りやすかった(バンドはアイボリーとブラックの2色を購入時に選ぶ形)。

ディスプレイが、大きいため装着時の存在感はしっかりとあるが、重量は本体のみで14.9gと、慣れればストレスになることはない。

4990円とは思えぬ多機能ぶり

Mi Fitness スクショ

「Mi Fitness」で歩数について表示しているところ。

画像:筆者によるスクリーンショット

気になる機能だが、4990円の入門機としてはかなりできることは多い。

なお、利用時にはスマホアプリ「Mi Fitness」(Android 6.0以降、iOS 12以降対応)が必要。また、いずれの機能も「医療機器向け」の品質ではない点は留意すべきだ。

  • 歩数、消費カロリーの計測・算出
  • 30種類以上のワークアウト(運動)
  • 心拍数のモニタリング(異常値の検出対応)
  • 血中酸素レベルの測定
  • 睡眠のモニタリング
  • スマートフォンの通知の受け取り
  • 予定の確認
  • 音楽再生コントロール
  • カメラのシャッターコントロール
  • ストップウォッチ
  • スマートフォンを探す
  • 天気の表示

Mi Fitness 睡眠表示

Mi Fitnessで睡眠の様子を分析しているところ(左は日表示、右は週間表示)。

画像:筆者によるスクリーンショット

筆者はレビューのために、Redmi Smart Band 2とグーグルの「Pixel Watch」を一緒につけていたが、睡眠や歩数データでは、2つの機種の間で特に大きな乖離はなかった。

睡眠については、「深い」「浅い」「レム」の3段階で分析でき、質に関するトータルスコアは出ないが「非常に良い」「良い」など一定の評価はテキストで表示される(別に呼吸スコアというものもある)。

充電方法

充電には専用ケーブルが必要。

撮影:小林優多郎

個人的に驚いたのは、電池持ちの良さだ。公称値だと14日間(通常使用モード時)連続で駆動できるが、筆者の場合もそのぐらいはもった。

充電ケーブルがマグネット付きの専用端子になっている点は人によって好みがありそうだが、このぐらい連続利用ができれば、満充電にしておけば旅行や出張先にケーブルを持っていかなくても安心して使えるだろう。

スピーカー/マイク、日本語フォント非搭載などは気になる

中華フォント

例えば、本体で機能アイコンを表示していても「統計」などのフォントに違和感がある。

撮影:小林優多郎

逆に、Apple Watchなど高価格なウェアラブル端末にできて、本端末にできない代表的な機能には以下のようなものがある。

  • 通話機能
  • 本体メモリ内に保存した音楽を再生する機能
  • 音での目覚まし機能(振動によるアラーム機能はアリ)
  • GPSを使ったログ機能(スマートフォンの位置情報は記録される)
  • Suicaやクレジットカード(タッチ決済)などの支払い機能

要はマイクやスピーカー、NFC、本体GPSは載っていないので、それらを使うような機能は使えない。

普段使いにはあまり問題ないが、例えばスマートフォンを家に置いて、スマートウォッチだけでランニングをしたいなどといった用途には向かない。

付属品

Redmi Smart Band 2本体と付属品。紙の説明書はそれなりの厚さがあるが、これは他言語対応によるもので内容的には基本操作程度に留まる。

撮影:小林優多郎

他にも個人的に気になった点が3つある。

  1. Android版の場合、「Google Fit(もしくはヘルスコネクト)」連携には非対応
  2. 本体のUIに日本語フォントが使われていない
  3. 公式ホームページに詳しい日本語のヘルプやマニュアルの準備がない

一つ目の連携機能は、要はRedmi Smart Band 2とMi Fitnessアプリで貯めたデータを外部サービスにエクスポート(書き出し)する方法がないということだ。

スマートフォンの機種変更や、Mi Fitnessを使う他のシャオミ製ウェアラブル機器に移行する際は問題ないが、別のメーカーやサービスにデータを移すことはできない。

二つ目は好みの問題ではあるが、「日本語」自体には対応しているものの、フォントがいわゆる「中華フォント」のため、「統」や「天」「設」など、普段使いで見かける漢字の表示に少し違和感がある。

最後は、サポート資料の少なさだ。付属の説明書は基本的な操作の説明のみ。アプリでは項目ごとにたまにヘルプが表示されるが、基本的にどの設定を本体やアプリのどの項目で変えられるかは「やってみないとわからない」。

いずれの問題もウェアラブルデバイスにとって「致命的な問題」とは言い難く、4990円という値段を考えれば人によって我慢できる点だろう。

ただ、入門機として割り切るべきところなのかは、購入前に判断しておきたい。

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