小さな町から大都会ニューヨークに引越し… 孤独を感じたわたしは「夕食会」を開いて新しい友達を作った

夕食会

Anita Michaud

  • 2021年7月に初めてニューヨークへ引っ越してきた時、アニタ・ミショーさんはどうやって友達を作ればいいか分からなかった。
  • "隠れ家レストラン"からヒントをもらったミショーさんは2022年5月、初めての「友達との夕食会(Dinner With Friends)」を開催した。
  • ミショーさんの夕食会は大人気で、今では人との出会いを求めるたくさんの参加希望者がリストに名を連ねている。

※この記事は「友達との夕食会(Dinner With Friends)」というプロジェクトを立ち上げたアニタ・ミショーさんへの取材をもとに聞き書き、編集したものです。

アメリカのミシガン州プリマスの小さな町で育ったわたしは、ありがちな話かもしれないけれど、ニューヨークのような大都会で暮らすことをずっと夢見てきた。 ニューヨークは子どもの頃から何度か訪れたことがあって、わたしは街が放つエネルギーに一瞬で魅了された —— 何でもできる、何にでもなれる… 無限の可能性があるように感じられた。

ニューヨークに引っ越す前、わたしは実家に近いミシガン大学に進学した。大学には幼なじみもたくさんいて、素晴らしい経験だった。

在学中は研究にも課外活動にも積極的に関わり、充実していた。卒業後はすぐにニューヨークで人生の新しい章をスタートさせるつもりだった —— ニューヨークに行けば、人との出会いがたくさんあって、友達もすぐにできるだろうと思っていた。

引っ越した直後に感じたカルチャーショック… ひとりぼっちという現実に直面

2021年7月、ニューヨークのブルックリンに引っ越した直後、わたしは地域社会とのつながりやキャンパス生活がないと、誰かと出会うのは想像以上に難しいことに気付かされた。

840万人以上がこの街で暮らしていて、ソーシャルメディアによって人と人とのつながりがかつてないほど強くなっている時代にもかかわらず、わたしは孤独だった。

ミショーさん

新しい土地に引っ越したことで、友達を作る新たな方法を見つけなければならなかったという。

Anita Michaud

何か行動を起こさなければと強く思ったのはそれから1年後、2022年4月に休暇でポルトガルのリスボンにいる両親を訪ねた時だった。リスボンには隠れ家的な中国料理店がたくさんあることを知り、わたしはその知る人ぞ知る秘密の共同食堂のアイデアに魅了されたのだ。

レストランを経営していた両親の下で育ったわたしは幸運なことに、常に食べ物に囲まれ、その食べ物が地域の人々によって作られるのを見てきた。

コロナ禍で"趣味の料理"に真剣に取り組むように

"秘密の夕食会"という面白そうなアイデアをその後しばらく温めていたわたしは2022年5月、ついに「見ず知らずの人たち」との夕食会を開いてみることにした。

参加者は全員、わたしは知っているけれどお互いを知らない人たちだ。新しい友情が芽生えるのに必要な"ぎこちなさ"のためのスペースは十分あったし、このアイデアが実際にうまくいくかどうか確認する必要があった。

結果、夕食会は大成功だった。全員が楽しい時間を過ごし、終わってほしくないと思ったほどだ。

夕食会

初めての夕食会が大成功したので、ミショーさんはすぐに正式な「友達との夕食会(Dinner With Friends)」を開催することにした。

Anita Michaud

見ず知らずの人たちとの夕食会がうまくいったことで、わたしは小さなプロジェクト「友達との夕食会(Dinner With Friends)」を立ち上げた。自分が夕食会を開きたいと思った時に、インスタグラムに夕食会への招待を投稿するのだ。

夕食会のメニューには毎回こだわっている。自分が旅した場所や旬の食材などからインスピレーションを得て、できるだけ地元の新鮮なものを使って作るようにしている。わたしが最近行ったイタリアのフィレンツェやチンクエ・テッレで食べた美味しい料理も、いくつかのメニューに影響を与えている。

そして、中国、イギリス、フランスにルーツを持つわたしが作る料理には、そうした家族の伝統もいかされている。

初めての夕食会(非公式の夕食会と公式の夕食会の両方)ではリグーリアのフォカッチャ、ラタトゥイユ、自家製ガーリックとバジルのフェットチーネ、ティラミスを作った。 夕食会の準備の様子は始めから終わりまで全て撮影し、インスタグラムの「友達との夕食会」公式アカウントでシェアしている。

2022年5月にアカウントを立ち上げた時はフォロワー数も80人ほどで、DMで出欠確認をしていたが、今ではフォロワー数も2000人を超え、公式サイトの問い合わせフォームやチケット抽選システムなしでは参加希望者を管理できなくなった。

そして、ニューヨークのような大都会で孤独を感じるのは、珍しいことではないことも分かった。人とのつながりを欲しているものの、この広くてペースの速い世界ではなかなかつながりを持てずにいるわたしのような人間は少なくない。

夕食会を20回ほど開いたことで、わたしは見ず知らずの人と関係を築き、その関係を持続させる方法をたくさん学んできた。

新たなつながりを求めている人には役立つかもしれない、友達作りのヒントを3つ紹介しよう。

1. 思い切って自分をさらけ出してみる

わたしが開いた夕食会に来た人たちには、共通点がある。皆、思い切ってやってみたのだ。

「友達との夕食会」に申し込んだ人には、夕食会の24時間前に我が家の住所のみが伝えられる。見ず知らずの人と夕食をともにし、楽しい時間を過ごそうと、彼らは基本的に1人でやってくる。

夕食会

夕食会のメニューにはイタリア料理、フランス料理、中華料理などがよく並ぶという。

Anita Michaud

正直、ひるんでしまうような新しい経験だ。知らない場所、知らない人たち、食べたことがないかもしれない料理が待っているのだ。

自分から友だちになろうと動くことは、新しい人脈を築く上で最も難しいステップの1つだけれど、夕食会の参加者たちは皆、思い切って見ず知らずの人たちと集まり、自分をさらけ出している。

そうすることで、夕食会が終わる頃には友達になっているのだ。

2. 良いことには時間がかかると覚えておこう

わたしが開く夕食会は、ここへ来ればすぐに友達ができるわけでもないし、終わりの時間は必ずやって来る。夕食会は出発点 —— 誰かと出会うための貴重なチャンスで、その一瞬のつながりが美しい人間関係へと花開く可能性を秘めている —— に過ぎない。

夕食会

おなかも心も満たされる自家製ラタトゥイユ。

Anita Michaud

ただ、あらゆる人間関係は築くのに時間と努力を要する。

「友達との夕食会」を開いた後は毎回、わたしは参加者たちが"おしゃべり"を続けられるようにチャットグループを作っている。夕食会の後も隔週で週末に集まっているグループもあれば、もう全く会話をしないグループもある。

誰かと出会った後、関係を深めていくにはそれなりの努力が必要だ。ただ、その努力が実り、生涯にわたって大切にできるかけがえのない友人を得ることができるかもしれない。

3. ぎこちなさを乗り越えて

出会ってすぐに意気投合することもあるけれど、大抵は気まずさの中に身を置くことで友情を見つけることができるものだ。

見られる、知られる… もしかしたらジャッジされるかもしれないという恐怖はある。それでも2人の人間が友情を築こうとその試練、ぎこちなさを乗り越えようとするのは素晴らしいことで、驚くような何かが生まれる可能性もある。

多くの人が孤独を強く感じたであろうコロナ禍を経て、「友達との夕食会」では多くの参加者にわたしたちがずっと求めていた"リアルな人との交流"を提供している。

このプロジェクトはもともと大学を卒業したばかりのわたしが新しい街で友達を作るための方法として始まりはしたものの、寂しさを感じたり、新しい友達を作りたいと思うのは特定の世代や年齢層に限ったことではない。

多くの人々から支持を得ていることから、わたしはニューヨークを中心にさまざまなバックグラウンドを持つ新たなホスト役を迎え、誰もが「友達との夕食会」を通じて本物の友情を見つけることができるようにしたいと考えている。

シカゴやサンフランシスコ、ロサンゼルスといった他の都市に住む人たちからもプロジェクトを広げたいという問い合わせがあって、信じられないような気持ちだ。

わたしは今後も自分で「友達との夕食会」を開き続けるつもりだ。ただ、「料理は素晴らしい人々や会話に合わせてシェアしてこそ」というわたしたちのモットーに合った人やブランドとの提携にも取り組んでいる。

多くの人にとって友達作りは"試練"かもしれない。それでも会話を促してくれるホスト役付きの、見ず知らずの人たちと夕食を囲むカジュアルな会なら挑戦してみたいと思う人は「友達との夕食会」のインスタグラム「@DinnerWithFriendsNYC」または公式サイトをのぞいてみてほしい。

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