個人投資において最も一般的なのは、証券会社の口座と年金口座を利用する方法だ。
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- 投資とは、値上がり益の獲得や収入創出を目的に資産を売り買いすることである。
- 主な投資対象資産には、株式、債券、ETF、不動産がある。
- まずは、確定拠出年金口座か証券会社の取引口座を開くことから始めるのが一般的だ。
投資とは、お金にお金を稼がせるプロセスである。価格の上昇や定期的な利子収入などによってお金が増えることを期待して資産を買うのだ。投資にはリスクが伴う一方、資金を増やすチャンスもある。
本記事では、投資の仕組みや始め方のポイントなど、投資について知っておくべきことを紹介する。
投資の仕組み
投資にはさまざまな種類があるが、基本的な仕組みは同じだ。値上がりか収入創出を期待して資産を購入するのである。
- 値上がり益:時とともに資産の価値が上昇すること。例えば株式の価値はやがて上がっていく可能性がある。
- 収入の創出:多くの投資家は収入源を得るために資産を購入する。家賃収入を目的に不動産を購入するのもその一例だ。保有していれば定期的に利益を受け取れる証券を買うという方法もある。
投資によって収入源をつくろうとする場合、配当金が支払われる株式に惹かれる人もいれば、定期的に決まった額の利子を受け取れる債券などに魅力を感じる人もいる。
一方、値上がり益を狙う人は、時とともに価値が上がると期待できる資産を購入する。不動産、貴金属、株式などの購入が一般的な戦略だ。
貯蓄と投資のどちらも、経済的に安定した未来を築くために重要な要素だ。2つの言葉を同じような意味で使う人もいるが、投資は貯蓄とは異なる。
貯蓄とは、ゼロあるいは低いリスクで資金を蓄える手段である。高利回りの普通預金口座やマネーマーケット口座にお金を預けるのも一例だ。低リスクの口座なら、いつでも預けた資金を引き出して消費に使える。通常、将来の買い物や非常時に備えるための資金は貯蓄として保管するのがベストだ。
投資ではどんなものでもある程度のリスクが伴う。一般的に、リスクの低い投資は高リスクの投資よりもリターンが少ない。多少のリスクを受け入れられるなら、投資をすれば普通預金口座に預けているよりも高いリターンを目指すことができる。
主な投資対象資産の種類
投資にはさまざまな形がある。これから投資を始めるなら、主な投資対象の種類を理解しておくと役に立つはずだ。
投資対象となる資産の種類をアセットクラスと呼ぶこともある。以下に代表的なものを紹介する。
- 株式:株式は企業の所有権の一部を表す。株を購入した場合、その会社の株価が上がればあなたの資産も増える。所有者に配当金が支払われる株式もある。
- 債券:債券とは、組織にお金を貸して決められた期間内で利子を受け取るというものだ。あなたが債券を購入したとき、組織は利息をつけて将来的にそのお金を返還することに同意したとみなされる。企業も政府も債券の発行体になりうる。
- コモディティ:コモディティとは、天然資源など一般市場で取引されている商品である。基本的にコモディティは価格の変動が激しいのでリスクが高いとされる。
- 投資信託:投資信託とは、多くの投資家から集めた資金をもとにプロが複数の投資先を選んで運用する金融商品だ。一般的に市場のベンチマークを上回る成果を目指して積極運用される。
- ETF:上場投資信託(ETF)も複数の有価証券がセットになった金融商品である。インデックス型ETFとアクティブ運用型ETFがあるが、多くのETFはS&P500などの特定の指数に連動するインデックス型だ。
- 不動産:不動産投資の定義には、不動産の運用に関わる投資が幅広く当てはまる。賃貸用の不動産購入や不動産投資信託(REIT)の購入などがある。
投資の始め方
お金がお金を稼いでくれたらいいのに、とは私たちの多くが考えることだ。それを実現するためにカギとなるのが投資ポートフォリオの構築である。そこでまず検討すべきは、確定拠出年金口座と証券会社の口座の開設だ。
「iDeCo(個人型確定拠出年金)や企業DC(企業型確定拠出年金)などの年金口座には税制上の優遇措置があり、ここから投資ポートフォリオの構築を始めるのはとてもよいやり方だろう」と、金融リテラシーサイト「マイケル・ライアン・マネー(Michael Ryan Money)」を運営するファイナンシャルコーチのマイケル・ライアン氏は言う。
年金口座を開くなら、預け金引き出しの制限に注意しよう。基本60歳までは引き出せない。
「一方、証券会社の取引口座はより柔軟かつ幅広い投資の選択肢を提供する」とライアン氏は言う。
証券会社の口座を開く場合には、自分で投資先を選ぶDIYのやり方もあるし、ファイナンシャルアドバイザーの助けを得ることもできる。両方のいいところ取りとも言えるロボットアドバイザーを探すという手もある。
どの種類の口座を選ぶにせよ、きちんと計画を立てることが重要だ。「投資ポートフォリオを1から構築するためには、慎重な検討とプランニングが必要である」とライアン氏は言う。
「まずははっきりと目標を思い描き、異なる種類の投資について学び、ポートフォリオを分散化し、専門家のアドバイスを求めることで、長期的な成功のための準備を整えられるだろう」