FIREを49歳で達成した元弁護士は、決め手は「収入よりも支出だ」と言う

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パーソナルファイナンス・サイトDoughRoller.netを設立したロブ・バーガー。

写真提供、ロブ・バーガー

  • 元証券法弁護士で、現在は『Forbes』の副編集長でもあるロブ・バーガー氏は、49歳でFIREを達成し、法律関係の仕事から引退した。
  • バーガー氏は支出を比較的低く抑えてきた。これには2つの側面がある。まず、毎年の収入から多くを貯金できた。そして、仕事を辞めるためには、生活コストを小さく保つ必要があった。
  • バーガー氏は自著で、『人は給与明細の額で経済的な成功を測るよう教育されてきた。だが、経済的自由とはいくら稼ぐかではなくて、いくら使うかで決まる」と書いている。

著書『Retire Before Mom and Dad(両親より早く引退する)』で、現在は『Forbes』の副編集長でもあるロブ・バーガー氏は、FIREにとって収入の多さは一般に考えられているほど大きな意味をもたないと主張している。

パーソナルファイナンスをテーマにしたサイト「DoughRoller.net」を立ち上げたバーガー氏は、49歳で証券法弁護士としてのキャリアから引退した。その時点で、25年分の年間支出に相当する額を貯金(および投資)したからだ。この「25」を、バーガー氏は経済的自立を勝ち取る魔法の数字と呼ぶ。

しかしバーガー氏は、自分がほかの人よりも早く引退できたのはそれまでの収入が良かったからではないと言う。貯めなければならない総額は、毎年どれぐらい支出するかによって決まる。そして、バーガー氏は支出を比較的低く抑えてきた。

「人は給与明細の額で経済的な成功を測るように教育されてきた。だが、経済的自由とはいくら稼ぐかではなくて、いくら使うかで決まる」とバーガー氏は書いている。もちろん、収入を増やすことは、富を築くうえでとても重要な要素になる。収入が増えても、支出を同じレベルに保つことができれば、貯金できる額が一気に増え、引退の時期を早めることができる。

経済的自立までの7つのレベル

バーガー氏は経済的自立にたどり着くまでには、7つのレベルがあると説明する。

  • レベル1:支出1カ月分の貯金
  • レベル2:支出3カ月分の貯金
  • レベル3:支出6カ月分の貯金
  • レベル4:支出1年分の貯金
  • レベル5:支出5年分の貯金
  • レベル6:支出10年分の貯金
  • レベル7:支出25年分の貯金

「レベル7が究極の経済的自由だ。この時点で、望むなら仕事から完全に引退することが可能になる」とバーガー氏は主張する。「あるいは私がそうしたように、自分が本当にやりたかった仕事で収入を得る道を選ぶこともできる。どちらを選ぶかは、あなた次第だ」

バーガー氏によると、最終のレベル7の数字は4%ルールにもとづいているそうだ。この4%ルールに従って、ある年の支出額の25倍に相当する金額を投資すれば、(投資に対して平均的なリターンがあるという条件下で)その後毎年そこから4%を無限に引き出すことができる。

自分にとっての経済的自由の達成額を知るには、年間支出に25を掛けるか(例:5万ドル × 25 = 125万ドル)、年間支出を4%(0.04)で割ればいい(例:5万ドル ÷ 0.04 = 125万ドル)。

ルブロン・ジェームズとも同じ条件

「この7つのレベルは誰にでも共通で、あなたが年収4000ドルの教師だろうと、年収5000万ドルのバスケットボール界のスーパースター、ルブロン・ジェームズだろうと、お互いに”現状の生活を維持するなら”同じだ」とバーガー氏は書いている。

「各レベルに到達するのにどれだけ時間がかかるかは、収入からどれだけ使って、どれだけ貯金するかで決まる。収入の多さは関係ない。教師が収入の10%を貯金すれば、ルブロン・ジェームズが収入の10%を貯金した場合と同じ年数で、レベル7に到達することができる」

もちろん、上のバーガー氏の例で、もしルブロン・ジェームズと教師がそれぞれ3万ドルを年間生活費として支出していたなら、ルブロン・ジェームズのほうが圧倒的に早く経済的自由を手に入れることになる。ただし、この仮定は現実的ではないだろう。

バーガー氏はこう述べている。「つまり、年収が無意味だと言いたいのではない。しかし、経済的自由では収入ではなく、支出が最重要なのだ」

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