noteが上場後初の決算。赤字脱却を目指し、シェアオフィス移転など大幅コストカット強調

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noteの加藤貞顕CEO。2022年12月21日、上場会見にて撮影。

撮影:竹下郁子

noteが東証グロース市場に上場後、初の決算を公表した。ChatGPTにも使われるGPT-3を活用した「note AIアシスタント(β)」の実装などで株価が好調な同社だが、早期の黒字化を目指し、社屋を縮小してシェアオフィスへ移転。加えて人件費や業務委託費を見直すなど大幅なコストカットを進めていることも明かした。

法人向け事業が急成長

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note proは2023年2月に月額利用料を5万円(税別)から8万円(税別)に改定している。

出典:note決算説明資料

2023年第1四半期の売上高は前年同期比19.6%増6億5400万円だった。noteの購読者が増加し、GMV(流通取引総額)が前年同期比27%増になったこと、また法人向けプラン「note pro」が前年同期比49.9%増と大きく伸びていることが後押ししたという。

営業利益、経常利益、純利益ともに赤字で、2億4900万円の純損失となったことについては、「人件費の先行投資や本社移転に伴う一時的な出費がかさんだため」と説明している。

社屋を縮小し、シェアオフィスへ

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出典:note決算説明資料

noteは今回の決算発表にあたり、報道向けの決算会見は開かず、投資家向けの説明会のみにとどめた。

説明資料から見えてきたのは、「早期の黒字化を実現する」ための徹底的なコストカット意識だ。

東京・外苑前本社オフィスとイベントスペースの2拠点を構えていたのを、1フロアに集約し、さらに四谷のシェアオフィス・WeWorkに移転する計画(2023年6月予定)だ。また業務委託も精査した。

オフィスと業務委託の見直しによってそれぞれ、年6000万円、年9000万円のコストカットを見込む。

同社はこうしたコストマネジメントの強化によって赤字幅が縮小するとして、この決算と合わせて2023年通期の業績予想を修正して公開した。

ChatGPTなどAI効果継続か、株価は好調

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note社の株価の推移。

出典:Googleファイナンス

noteといえば、AIの活用でも注目を集めた。ChatGPT関連のAI技術を活用した記事作成アシスタントツール「note AIアシスタント(β)」は4月12日から全ユーザーへの提供を開始した。

上記技術が発表された当時に株価が急騰したことは既報だが、4月14日時点でも700円代を維持しており、市場から「AI銘柄」としての期待も高いことがうかがえる。

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