チチェン・イッツァのマヤの遺跡で、球技に使われた円形のスコアボード。メキシコ、メリダで2023年4月11日に行われた記者会見で公開された。
Lorenzo Hernandez/REUTERS
- メキシコの遺跡で古代の石の「スコアボード」が発見された。
- この石には、古代のサッカーのような球技をする2人の人物が描かれていると、考古学者は述べている。
- これは、メキシコのユカタン半島にあるマヤのチチェン・イッツァ遺跡で発見された。
メキシコの遺跡で、サッカーのような球技に使われたと思われる石の「スコアボード」が発見されたと考古学者が発表した。
マヤのチチェン・イッツァ遺跡で発見されたこの円形の石は直径約32cm、重さは40kgだと、メキシコの国立人類学歴史研究所が2023年4月12日にツイートしている。
この石は、西暦800年から900年の間に作られたもの見られている。
「このマヤ遺跡では、きちんとした文字はおろか、象形文字が見つかることすら珍しい」と、調査をコーディネートした考古学者の1人、フランシスコ・ペレス(Francisco Perez)は述べたとロイター通信が伝えている。
この石には中央に2人の人物が描かれ、その外周を象形文字が囲んでいるように見える。彼らは対戦相手と推定され、1人は羽の頭飾りをつけ、もう1人はマヤ社会の高位者に許される「蛇のターバン」を巻いている。
現在、専門家による分析・解読が行われ、保存に向けた準備が進められている。
チチェン・イッツァのマヤ遺跡で見つかった円形の石。球技のスコアボードとして使われたと見られている。メキシコ、メリダで2023年4月11日に行われた記者会見で公開された。
REUTERS/Lorenzo Hernandez
図像学の専門家は石に描かれた2人の人物が「ペロタ」という重いゴムボールで行うチームゲームを行っている人物であることを突き止めたとBBCが報じている。
ロイター通信によると、メソアメリカの人々は伝統的な慣習の1つとして球技を行い、それには儀式的な意味合いもあったと考えられている。
メキシコのユカタン半島にあるチチェン・イッツァは、マヤ文明の歴史的中心地で、ユネスコの世界遺産に登録されている。