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- 歴史豊かなリキュール「シャルトリューズ」は、フランスのカルトジオ会の修道士らによって作られている。
- 2019年、修道士らは環境への影響などを考慮し、生産を制限した。
- バーテンダーやファンは、シャルトリューズをなかなか見つけられない状況だ。
歴史豊かなアルコール度数の高い薬草系リキュール「シャルトリューズ」はコロナ禍をきっかけに人気が高まっているものの、作り手側に供給量を増やす考えはない。
人々がこぞってこのリキュールを求める中、製造しているフランスのアルプス山脈のふもとにあるカルトジオ修道会は増産に否定的だとニューヨーク・タイムズが報じた。
コロナ禍で不足したワインやスピリッツとは異なり、シャルトリューズはグリーンもイエローも需要に供給が追い付いておらず、ファンやバーテンダーはどうにかして手に入れようと必死だ。
「以前はいつでも手に入るものだったので、あまり気にかけたことがありませんでした」と昔からシャルトリューズが大好きで飲んできたというジョシュア・ラッツさんはニューヨーク・タイムズに語った。
ところが、今では旅行や出張があると現地の酒屋で手に入るかもしれないと、シャルトリューズを運ぶための箱を持ち歩くようになったという。
「最近はちょっと買いだめせざるを得なくなりました」とラッツさんは同紙に話している。
バーテンダーにとっては、2000年代から続く"カクテルの復活"に欠かせないシャルトリューズの代用または代替を探さなければならない状況だ。
ニューヨーク・タイムズによると、カルトジオ会の修道士らは2019年、シャルトリューズの生産を制限した。環境への影響を抑え、これまで以上に孤独と祈りに集中するためだ。
「わたしは修道士たちを支持します」とニューヨークのクイーンズにあるバーの責任者トニー・ミリチさんは同紙に語った。
「ただ、自分はドリンクメニューの責任者でもあります」
ミリチさんは地元の業者と協力して、店に入れてもらうシャルトリューズの量を2倍に増やすことができたものの、このリキュールの人気が続く限り、多くの人々にとっては手に入りづらい状況が続くだろうとニューヨーク・タイムズに話している。
1980年代にシャルトリューズの生産を監督していた元修道士のマイケル・K・ホラーラン師は「修道士生活のバランスを崩さずに作れるシャルトリューズは限られている」と同紙に語っている。