ミレニアル・Z世代の30%が過去半年で動画サブスクを解約。物価高でエンタメ消費が犠牲に【デロイト調査】

Netflix

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アーカンソー州在住で人事の仕事をしているジェイロン・マクミラー(27)は、まさか自分がネットフリックス(Netflix)を解約することになるとは想像もしていなかった。

しかしインフレが進行するなか、ストリーミング配信にかけていたコストを減らしたことでどれだけ節約になるかを実感した。

「出費がどんどんかさみ始めて、もう予算に余裕がないことに気づいたんです」(マクミラー)

マクミラーは昨年、ネットフリックスのプレミアムプランとHulu(フールー)の広告なしライブTVプランを解約し、毎月100ドル(約1万3500円、1ドル=135円換算)近くを切り詰めることに成功した。

サブスクを解約したことで、新型コロナのパンデミック時のあの単調な生活に一服の「安らぎ」を与えてくれた娯楽を手放すことになった、とマクミラーは言う。しかし、インフレにより消費者物価が40年ぶりの高水準にある今、マクミラーのようにストリーミング配信を解約したりもっと手頃な料金プランに切り替えたりして支出を抑える若い視聴者は増加している。

Insiderは、ミレニアル世代とZ世代の消費者5人に話を聞いた。彼ら彼女らは、インフレが進む中でガソリン代や食料品などの必需品を確保するため、サブスクサービスを解約したと話す。

話を聞いた若者のうち何人かは、パンデミック中に過度なテレビ視聴が習慣化してしまったので、代わりに社会活動やアウトドアに時間を使いたいと言う。また、ストリーミングサービスを再契約することには前向きだが、新しい番組や映画を少し見たらまた解約するだろうという声もあった。

インフレがサブスクサービスを直撃

この現象がストリーミング配信サービスにとってどのような意味を持つのかを示唆しているのが、コンサルティング大手のデロイト(Deloitte)が最近発表した「2023年デジタルメディア・トレンド(2023 Digital Media Trends)」調査だ。同調査によると、ミレニアル世代の回答者の約3分の1(32%)とZ世代の30%が、節約のために過去6カ月以内に少なくとも1つの有料エンターテインメントサービスを解約したと回答している。

同調査ではZ世代(デロイトでは1997〜2009年生まれと定義)、ミレニアル世代(1983〜1996年生まれ)、X世代(1966〜1982年生まれ)、ブーマー世代(1947〜1965年生まれ)、シニア世代(1946年以前生まれ)の5つの世代を分析している。全体として、全回答者の44%が過去6カ月以内に、節約とは無関係な理由も含めて有料エンタメサービスを解約したことがあることが分かった。

これは、デロイトがストリーミングサービスのユーザーの解約動向を5年近く追跡調査してきた中で最高水準だと、同社の米国テクノロジー・メディア・通信業務を率いるケビン・ウェストコット(Kevin Westcott)副会長は話す。

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