ダナ・グッドさん。
Courtesy of Dana Good
- ダナ・グッドさん(25)が就いた初めてのフルタイムの仕事は100%在宅勤務だった。
- スリッパを履いて仕事をしているグッドさんはビジネス用の服を買わずに済むため、約1000ドル(約13万円)の節約になったという。
- リモートで「新人」として働くのは不思議な感覚だったものの、対面だったとしてもそれは変わらなかっただろうと考えている。
※この記事はリモートで働いているアメリカのペンシルベニア州キング・オブ・プルシア在住の顧客担当営業ダナ・グッドさん(25)への取材をもとに聞き書き、編集したものです。
自分のキャリアをバーチャルで始められたことをわたしはありがたく思っている —— 自分にとってはこれが最良だった。
もともとインターン先を探していた時、募集の多くは"在宅勤務"だった。キャリアを歩み出し始めたばかりのわたしにとって、就職のために引っ越す余裕はなかった。地元で何か見つけるか、バーチャルの仕事を受け入れるかだった。
当時のわたしは対面でアルバイトをし、対面で授業に出ていた。自分がやらなければならない他のこととのバランスを考えると、バーチャルのインターンシップに参加するしかなさそうだった。一度リモートワークに慣れ始めたら、通勤も、髪を整えたりメイクをすることも、対面での仕事に求められるようなきちんとした服装も、嫌になっている自分がいた。
在宅で5カ月のインターンを経て、わたしは2022年11月にこの会社 —— FischTank PRで顧客担当営業として100%リモートで働くことになった。
100%在宅勤務が支えてくれた心とからだの健康… 夜は大学院の勉強を継続
平日の夜、授業がない日は午後7時にアラームを設定して1時間宿題をやる。場合によってはもう少し仕事を続ける日もあるけれど、自分が設定した目標が達成できれば満足だ。
通勤時間がない分、その日の気分に合わせて心やからだを休ませたり、運動をすることもできる。朝と夜の散歩は欠かせない。病院にも行きやすいし、料理をする時間もあるので食事をテイクアウトで済ませることも少ない。飼い猫をひざに乗せたり、ねこのすぐ隣で一日中仕事をすることもできて、わたしの健康につながっている。
100%在宅勤務は会社がわたしを信頼している証でもある
わたしは上司に対して、自分にできることとできないことを正直に伝えている。上司からは定期的に状況を確認する電話がかかってきて、業務上のアウトプットについては会社が設定した目標と自分自身で設定した目標がある。
在宅勤務だからといって特別な措置はない。そういうものがあると、会社は在宅勤務が失敗すると思っていると従業員に伝えることになる。オフィスにいる従業員と同じようにわたしを扱うことで、会社は"わたしが今の環境で計画した通りに仕事ができると信頼している"というメッセージを送っている。
何も逃していない
中には毎日スーツを着てコーヒーショップに立ち寄り、高層ビルにあるオフィスに通うのが理想だという人もいるだろう。それは好みの問題だ。
わたしの場合は毎朝、自宅のキッチンで自分の好きなようにコーヒーを入れ、モコモコのスリッパを履いて2階に上がり、すぐそばにいるねこと一緒にメールや電話に応じるのが理想だ。
わたしは基本的に仕事を始める15~20分前に起きて、朝食を用意する。セルフケア —— スキンケアや運動など —— の大半は前の日の夜に済ませている。だからといって、スキンケアを日中にしたことがないわけでない。ある時、同僚にフェイスマスクをしているので1on1でカメラをオンにできないと伝えると、彼女は問題ないと答えた —— 彼女もこの日、歯をホワイトニングしていたという。
通勤しないことでどれだけのお金が節約できたのか、具体的に数字にするのは難しいけれど、仕事用の服などを購入せずに済んだので恐らく1000ドルは節約できたのではないかと考えている。
境界を保つためにアラームを設定
例えば午後5時30分に仕事を終えようと思ったら、わたしは5時15分にアラームを設定して、自分にそろそろ終わりだと知らせるようにしている。お昼も12時30分にアラームを鳴らして、食事の時間だと自分に伝えている。
業務に関する通知は全て、午後6時から朝8時までは「オフ」にしている。週末もだ。仕事とプライベートの境界をはっきりさせるには、機密保持や所有権の問題はさておき、個人情報が保存されていない仕事用の携帯電話や仕事用のノートパソコンを持つこと、そして仕事用の端末には個人情報を保存しないことが不可欠だと思う。
バーチャルでインターンを始めた時は不思議な感覚だったけれど…
自分のことを考えると、オフィスでも「新人」として働くのはぎこちない感じだっただろうと思う。初めは同僚にどうメッセージを送ったらいいのか、どのくらいの頻度でメッセージを送ったらいいのかよく分からなかったけれど、それはオフィスで雑談するのと同じようなものだった。
オフィスで働いている多くの友人が、ハッピーアワーの飲み会や会社の食事会は直前になって決まると教えてくれた。彼らは突然のことに気持ちの準備が追い付かなかったり、服装が気になったりすると話していて、運動をしようと思っていたとか家で料理をするつもりだったとか仕事関連のイベントに行こうと思っていたのに… と迷うこともあるという。
わたしの勤める会社では幸運なことに、バーチャルと対面の両方でチームとしてまとまるためのイベントが数多く開催されているので、顔を合わせたいと思えばその選択肢もある。わたしはこういうイベントに行くのが好きだ。楽しいし、何よりも事前に予定されているからだ。おかげで何を着ていくか、どうやって会場まで行くか、事前に考えることができて、こうしたイベントに一番いい自分の状態で参加できる。