将来に備え、女性が長期的に資産形成できる方法がいくつかある。
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- 女性には女性ならではの苦労があるものの、長期的に資産形成できる手段がいくつかある。
- まず、何らかの事情で仕事から離れなければならなくなる事態にどう備えるかを考えよう。
- そして貯金を自動化し、ある程度の投資も忘れずに行うこと。
男女の平等は昔に比べかなり進んできたが、それでもまだ女性を悩ませる問題はたくさんある。
男女間の賃金格差や、老後資金に必要な金額と実収入とのギャップ、養育費や介護費の上昇、女性向けの製品やサービスが男性向けのものと比べて高い傾向にある、いわゆる「ピンク税」などだ。
本記事では、そんな状況だからこそ、将来に向けて経済的に備えたいと考えている女性に役立つアイデアをいくつか紹介しよう。
1. 「休職」の可能性に備える
学校に通うため、子育てのため、あるいは高齢の親の介護をするためなどの理由で、多くの女性が一時的に会社を離れる場面に遭遇する。実際、コロナ禍の間、子供の面倒を見なければいけないという理由で休職した女性は、通常の約3倍に増えた。
このような休職は、家計にとって長期的なダメージになりかねない。こういった事情による休職はたいてい想定外に起こるものだが、その可能性を考えて今から計画を立て、休職期間にかかる基本的な生活費分はカバーできるよう積極的な貯金を始めよう。そうすれば、退職後のための貯金を切り崩したり、限度額に達するまでクレジットカードを使ってしのぐようなことにならずに済むだろう。
2. 貯金だけでなく「投資」に力を入れる
女性は貯金する人は多いが、投資をもっと重視する必要がある。「投資」の貯金との違いは、長期的に資産を増やし、成長させることができる点だ。
「少額で始めて、時間をかけて増やしていけば良い。可能な限り積み立てて行けば、資産は増えていく。投資をためらう人の多くが、50万円以上とか、最初から高額の資金が必要だと勘違いしている。できる範囲で堅実に積み増していけば、お金は増えていくものだ」と、パーソナルファイナンス・アドバイザーのリネット・ハルファニ・コックス氏は言う。
それを踏まえて、可能な時に確定拠出年金の掛け金を最大限まで拠出することが重要だ。勤めている会社に「企業型DC(企業型確定拠出年金)」の制度があれば、すぐ拠出を始めよう。「マッチング拠出」を導入している会社であれば、会社側の掛金に上乗せ拠出して、できる範囲で最大限利用するといい。
老後の資金を貯めるのに、必ずしも会社が用意した制度に頼らなければいけないわけではない。「iDeCo(個人型確定拠出年金)」に投資すれば、退職後の資金の準備を自分で今すぐ始められるし、掛金が全額所得控除されるので節税にもなる。
3. 貯蓄を「自動化」する
貯蓄の自動化は、一度セッティングしてしまえばそれきりなので、貯金を増やす上でとても賢いやり方だ。給与振込口座から貯蓄口座あるいは投資口座に定期的に送金されるように設定しても良いし、給与など口座に直接振り込まれるお金の一部が貯蓄用の口座に入るように設定することもできる。
自動化しておけば、あとは自分で何もしなくてもお金が貯蓄口座に入っていくので、貯金していることすら忘れてしまうし、口座に入ったお金は放っておいても増えていく。こんなに素晴らしい習慣はない。